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丹波の

萩原(はぎわら)
京都府福知山市萩原


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京都府福知山市萩原

京都府天田郡上六人部村萩原

萩原の概要




《萩原の概要》

生野の隣りの集落。旧天田郡三和町との堺になる。西方の小倉山山麓から洪積層の段丘が東方へ舌状に広く突出し、その崖低地に水田がある。段丘上に住宅と畑、付近の低地に水田がある。
萩原村は、江戸期~明治22年の村。綾部藩領。山裏組14か村の1つ。明治4年綾部県、豊岡県を経て、同9年京都府に所属。同22年上六人部村の大字となる。
萩原は、明治22年~現在の大字。はじめ上六人部村、昭和30年からは福知山市の大字。


《萩原の人口・世帯数》 283・127


《主な社寺など》

八幡神社
八幡宮  六部郷 萩原村
祭神尊躰有之  祭礼八月十五日  三月十五日  六月十五日 産神
本社未申方向
境内 凡三十間四方
(『丹波志』)

萩原城
遺跡地図などによれば八幡神社も萩原城跡も郡是跡の近くのようなのだが、見当たらなかった。
古城 古庄大槻佐渡守ト云  萩原村
南東ニ川ヲ境トシテ 南ノ構ハ岩石十間斗切立タル所也 本丸ヨリ北表 西エ続テ平地 民家有り 本丸凡十間ニ廿間斗 民家ヨリ弐間斗高シ 東ノ郭四畝斗ノ畑也 本丸近所ニ子孫ノ外ハ住宅不成 城ノ南脇ニ下リ松ノ木有 三代目ノ木ト云 姓氏ノ部ニ出
(『丹波志』)
周辺には倉屋敷・麻町・弓ケ市・弓矢ケ市・堀などの小字があり、戦国城下町の存在を示す珍しい例という。明治になっても南側断崖上に下り松の大木があったといい、本丸跡には昭和20年代まで祠が残っていたという。


《交通》


《産業》

郡是萩原工場跡
右は国道9号。国道の向かいに広いトラックターミナルのような施設があるが、そこにあったという。今は反対側に碑が移されている。
明治42年に郡是製糸萩原工場ができ、大正11年の繰糸釜数200、職工男子9・女子239、生糸生産8、190貫であった。第2次大戦後は篩絹・撚糸工場となり、昭和55年に鍋小鉄工所に変わったという。
「我等の製糸」碑
案内板
都是萩原工場跡
国道の向側に昭和三八年まで郡長萩原工場があった。
この地方に於いて、郡是萩原贋工場は大規模な工場として、経済的に地方の発展に大き<寄与した。
明治三十年、共進製糸合資会社が創立された。綾部に郡是が創られたのもこの頃、郡是は波多野鶴吉氏によって大発展したが、共進社の役員は旦那衆が多<経営がうまく行かず、明治四二年郡是に身売りし、その分工場となった。郡是にとっても将来発展の第一歩を何鹿郡外に踏み出した最初の工場で、意義深い萩原工場であった。
大正八年頃には、近隣の女工だけでは不足し、富山県東砺波郡から多くの女工を迎えた。彼女達は優秀で、信州より待遇が良いと張り切ったので、ノンビリしだ地方女工の刺激となった。
大戦が始まると「繭も兵器」と言われたが、やがて製糸業は平和産業と縮小され、海軍の縫工場となった。その後昭和二五年頃からは、八王子市から中野篩絹工場の技術を移し再生を図ったが、昭和三八年に操業六五年の幕を閉じた。
工場の正面から移設した、波多野林一社長著「我等の製糸」の碑
平成二十年十月   萩原自治会会



《姓氏》


萩原の主な歴史記録


『丹波志』
萩原村  綾部領
高百七拾四石三斗六升   民家四十七戸
此所古萩多ク生セリ依之地名トス 此村内具足師弓師夫師弦師ト云字ノ所有其由緒不知之
又上野生野萩原一面ノ平地也 古ハ上野小路トモ云 又天神ノ森ノ北二十間斗低ク平地田地也此所ヲ雲田ト云 所有今萩原ノ分ナリ今俗ニコマ田ト云名所部ニ出ス
按ニ天田ノ名雲田ヨリ起ル歟 今安村ニ天照玉神社在在依之郡名トセリト云説有トモ難取コトナリ

『天田郡志資料』
(郡是製糸萩原分工場)
明治廿九年綾部町に郡是製糸株式会社の創設さるゝや、本村字上野井本五左衛門氏外数氏相謀り現在の位置に資本金二万円を以て共進製糸会社を組織し井本氏を社長とす爾来地方蚕業の発展に資する所多かりき。氏は明治三十九年六月隠退して千束なる水谷徳右エ門氏に譲り経営したり。かくて明治四十二年六月郡是製糸会社の買牧する所となり、萩原分工場として豊富なる資本を以て益々斯業の発展を図り今日に至る。
大正十一年中の成績左の如し蓋し今日より十数年前なれば現在では多大の発展を疑はず、
製糸釜数 二百釜  職工数 男 九人 女 二三九人
製糸高  生糸 八千百九十貫   価格百万九千二百十一円
     屑物 千七百三十一貫  同 壹万二千百〇四円
          計 九千九百一貫、百○二万千三百拾五円


伝説





萩原の小字一覧


萩原(ハギワラ)
油坂 油屋 麻町 合口 井ノ内 岩谷 石畑 稲葉 家ノ廻 イセキ インノ子ヤ ウツギ ウルシ畑 奥地 大畑 川ノ上 川端 上島地 上ノ小池 柿ノ木 ガンマク 雲田 雲田坂 倉屋敷 黒ケ市 欠戸 ケンジリ 小里 権田ケ瀬 坂ノ上 坂ノ下 下地 下地裏 シユツケ 城山 瀬谷 高田 戸ケ鼻 鳥ケ市 土井ノ内 中地 長畑 荷卸 ヌカヅカ 林ノ下 冷田 藤ノ木 風呂町 堀 向ヤプ 村ノ上 村ノ下 町裏 宮ノ前 宮ノ下 水木 道ノ上 門田 薮ノ上 薮ノ下 柳谷 弓矢ケ市 畑ノ下 弓ケ市 油利殿 アカ尾 ガンマク コ子リ尾 瀬谷 荷卸 ヌタケ尾 ヒヨ 冷草 フトヲ モリキ谷 若松 油利殿 鷺谷

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【参考文献】
『角川日本地名大辞典』
『京都府の地名』(平凡社)
『丹波志』
『天田郡志資料』各巻
『福知山市史』各巻
その他たくさん



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