丹後の地名

奥波見(おくはみ)
宮津市


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京都府宮津市奥波見

京都府与謝郡養老村奥波見


 

奥波見の概要




《奥波見の概要》

 市の北部。波見川の上流。北方に笹ケ尾山(371m)、東方に千石山(312m)をひかえる山中の農山村地域。波見川に並行して府道下世屋本庄線が南北に走り、南は中波見に通じる。沿道に集落がある。

奥波見の一番奥

奥波見村は、江戸期〜明治22年の村名。はじめ宮津藩領、寛文6年幕府領、同9年宮津藩領、延宝8年幕府領、天和元年宮津藩領、享保2年幕府領湊宮代官、久美浜代官支配地、宝暦9年以降は宮津藩と幕府の相給。
宮津藩領は端郷林崎・段、幕府領は梅ケ枝・新谷・奥郷にあった。享保2年(1717)青山幸侶宮津入部の時、宮津藩領から切り離されて湊宮代官所支配(幕府領)に入り、宝暦9年(1759)本庄資昌宮津入部の時、奥波見村のうち梅ヶ枝以北新谷(しんたに)・奥郷を含めて高407.163石はそのまま代官領にとどまり、波見川の下流方向の残り林崎・段の高97.345分は宮津藩領に戻った。という。維新後に、旧宮津藩領は中波見村として分村した。幕府領は久美浜県、同4年豊岡県を経て、同9年京都府に所属。同21年の戸数86。同22年養老村の大字となる。
奥波見は、明治22年〜現在の大字名。はじめ養老村、昭和29年からは宮津市の大字。


《奥波見の人口・世帯数》27・14

《主な社寺など》
日蓮宗大乗山妙典寺
大乗山妙典寺
 養老村字奥波見、本尊同上、元和元年三月品川久助創建に係り日置妙圓寺二世日順上人開山、境外新宮に妙見堂、梅ヶ枝に鬼子母神、針谷に七面堂あり。
(『与謝郡誌』)


白山妙理大権現
白山神社
 養老村字奥波見小字若宮、村社、祭神伊奘那美命、由緒不詳、明治六年村社に列せらる。氏子七十七戸、例祭同上。
(『与謝郡誌』)

旧奥波見村の氏神で、古くは白山妙理大権現と称した。
(『宮津市史』)

宮津市には、北端伊根町との境に近い海寄りの所に白山神社があり、三一面分の懸仏を残している。明治の廃仏毀釈で大部分は鏡面と鏡に取り付けた仏像が分離されてしまった。仏像は白山妙理権現の本地仏である十一面観音像で、坐像・立像ともにある。他に聖観音像・如来坐像などが少数ある。
(『宮津市史』)


《養老の滝》
『養老村誌』(昭3)
(写真も。「養老の滝(奥波見・梅ヶ枝)」のキャプション)養老の滝
村内の瀑布に推賞に直すべきもの一あり。地僻遠にして天下に紹介せられず随って探勝ほ行ふもの未だ多からざりしと雖も、編者客年実地踏査の結果橋立新聞第一五八三號紙上に発表したるが爾来杖を曳くもの続々あり。新聞記事次の如し。

養老の滝
 養老村字奥波見の梅谷区に世間知らずの瀧がある。先づ奥波見の梅谷区から妙鬼庵裏の小阜を超えて中波見の段川の上流展けては?り緩みては急ぐ溪谷を左に渉り右に傳ひ、草茅を分て登ること十四五町、右手世屋村木子に超ゆる山径の岐頭渓谷俄かに開けて急に塞がり断崖絶壁二百尺、一縷の飛泉中間に懸って亭々たる瀑声幽谷の静寂を破り玉沫散じて虹を吐き、少時瀑下に佇めば三伏の炎暑を忘れて宛ら寒宮裏に遊ぶの感がする。殊に妙なるは裏見の滝で絶壁の中間刳れて人を通じ前に落つる瀧水を裏から見るの奇観は亦格別である。過般小室洗心君によつて丹後の瀧が次々に紹介されたけれども此の瀧ばかりは漏れて居た。其の後私は養老村誌編集資料探訪の際に、黄前梅谷区長の東道に依って此に観瀑を為したが前人未知の滝としては驚嘆に値する。之れを養老村の一名勝として天下に紹介するも敢えて遜色を認めぬが無名の瀧では遺憾であるから養老の滝と命じて置かう。


《交通》

《産業》


奥波見の主な歴史記録


『注進丹後国諸荘郷保惣田数帳目録』
一 波見保 十一町三段二百四十八歩  成相寺

『丹後国御檀家帳』
一 さとはみ  家五拾斗
     かうおや
      谷川小次郎殿    助左衛門殿
      小 三 郎殿    彦右衛門殿
      孫 治 郎殿    三郎助との
      七郎右衛門殿    孫 助 殿
一 はみのたんと申すむら    家六拾軒斗
     志やう蔵主  かうおや かへしする人
   〆
一 はみの六良かき       家参拾軒斗
   かうおや     かうおや
    小七郎殿     かもん殿

『丹哥府志』
◎奥波見村(里波見村の奥)
【大乗山妙典寺】(日蓮宗)
【林崎】(以下四ケ村奥波見村の里名)
【梅ケ枝】
【新谷】
【白山妙理大権現】(祭八月十八日)
【奥郷】(是より槙村へ出る)


奥波見の小地名


奥波見
ヤクシ タンダ ナシカヲカ 家ノ下 イエノ下 トナリガケ イハツボ 願女房 カマダニ 釜谷 小屋ノ段 タナガタニ 橋ケ谷 大サク 今江 大道 大イナキ 大立テ 川向 大立 亀ノ尾 亀ガオ 寺ケ谷 峠 水落シ ミヅオトシ ソブ谷 ソブ ヲヨボシ 大ナル ナカヲ 兵谷 サイミ谷 若宮 ナメラ シミズ谷 ジト 南田 萱垣 カヤガキ 向谷 一ノ谷 弐ノ谷 荒場坂 九日田 三ノ谷 シング 枝谷 高尻 タカシリ オクヤマヤシキ 奥山ヤシキ 新宮 アリガクビ 小町ベラ ナシガコ コバラ マベラ 小作 荒神通リコ タチ 道ノ向 鬼屋敷 水ノオテ 中ミゾ 谷垣 平野 深田 コガキ サイノキ 池ノ下 清水 サイノキ シミズ ハシノツメ サイダ イモリデ ハシラヲ 長通 橋ノ詰 前田 ヤシキ 桐木谷 ハカノマヘ タカヘラ フチ ボウズ成ケハナ ナガリ谷 奥ナガリ谷 高畔 ドヨノ谷 フジガモリ カクレヲ ヤケヲ 大平 トヒノ 下ヤケヲ 丸山 スゲ谷 コダガハラ 小田川原 エダダニ 尾亭 ナカノ谷 中ノ谷 浦ノ谷 真谷 モグラダニ 釜ケ成 芦谷 クイツキ 中地 ヲカノナル ヲカメ谷 モリ ソブタニ ソアタニ 川原 向川原 ヤマヤシキ 向ノ谷 マタベラ 中道 ニヤ 下地 鼻巻 家際 サエン ダイド 桐九谷 城ノ下 イガミ谷 ソフガ谷 ノボリヲ 登ヲ ヲクチ ヲクヂ イヱノシタ ボウズ田 谷ハタチ 千原 チハラ 家ノワキ ナルガハナ ナガリ谷 奥ナガリ谷 高アゼ コダガハラ ナカ峠 ヲテ 中ノトンガナル シロ 池ノ谷 マダニ シホギリ シデン ナシガヲカ 九日デン 新井根 家ノ上 タカラ平ラ マナベ 成ケ鼻 ヤケ尾 ヲビラ 尾口 エダ谷 ドンガナル 奥ノ向山中 ユリダワラ タガタ 柳原 渡り場 西山 瀬戸畑 ヒマブリ ハシガタニ ガンニヨボ 石畑 古畑 塩切元ヌケガナル マ谷 伊根ロ イ子グチ ガメノヲ ソブ谷 ワカミヤ タニガキ ヲゝビラ サゝガヲ 笹ケ尾 ナガトウリ 仲ノ谷 向河原 アシ原 ヒヨウタニ ワフ谷 高尻 アリガヒビ 小町ベラ 梨ガコ 通リマ 家脇 尾イナキ カソレオ 土用ノ谷 ドヨノ谷 下ヤケ尾 尾口井根下 コダ河原 寺ノ谷 ヨト 大下 道ノ谷

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【参考文献】
『角川日本地名大辞典』
『京都府の地名』(平凡社)
『宮津市史』各巻
『丹後資料叢書』各巻
その他たくさん





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