切畑(きりはた)
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京都府京丹後市網野町切畑 京都府竹野郡網野町切畑 京都府竹野郡郷村切畑 |
切畑の概要《切畑の概要》 郷から福田川をさかのぼった源流部の山間に位置している。谷間のわずかな平地を、府道20号(永留網野線)が走り、沿道に集落が散在する。 切畑村は、江戸期~明治22年の村名。はじめ宮津藩領、享保2年からは幕府領。明治元年久美浜県、同4年豊岡県を経て、同9年京都府に所属。同22年郷村の大字となる。 切畑は、明治22年~現在の大字名。はじめ郷村、昭和25年からは網野町の大字。平成16年から京丹後市の大字。 《切畑の人口・世帯数》 53・26 《主な社寺など》 吉野神社 東吉野神社ともあるが、吉野神社である、井光(碇)村のある奈良県吉野郡の地の神を祀ったものであろう。 北東の吉原権現山に祀られた金峰神社とは姉妹神社と思われる。 切畑権現山の頂にあるという、山の麓に鳥居があって参道やしき道が続いていたが、あそこから登るのだろうか。 切畑側からみると、どれが切畑権現山(来迎山・日暮山・494m)なのかわからないが、たぶんその峰より川上側にあると思われるが、ここからは手前の樹木などで見渡せない。 漁船の山アテになり、頂上にある吉野神社は根付けの神ともされ、田植後登拝するものが多かったという。中郡側の農村からも、半夏生(七月初旬)の日に参詣し、境内の笹を折り取って帰り、水田の畦に立てる習慣がある。これを「植付け参り」とよんだ、という。 『丹後国竹野郡誌』 〈 東吉野神社 無格社 字切畑小字瀧谷鎮座 (神社明細帳) 祭神 広国押武金日神 由緒 不詳. 権現山 (郷村誌稿)中郡界に屹立し海面を抜くこと一千七百尺の高嶺にして近海航行漁撈の目標とすと云ふ、頂上に社あり吉野榊杜といふ、廣国押武金日神を祭れり、頂上に佇立すれば丹後一円及び日本海の一部丹波但馬の山岳見渡り眺望頗る壮大の感あり、田植後登山する者多し(頂上の神を根付ケノ神と称す)切畑登り口より絶頂迄廿二町あり 〉 『網野町誌』 〈 その他区内の諸社 若宮神社 祭神 若御魂神 切畑小字若所鎮座 稲荷神社 祭神 宇賀魂神 切畑小字おて鎮座 西白山神社 通称 西の権現さん 切畑小字三谷鎮座 東吉野神社 切畑小字滝谷鎮座 祭神 広国押武金日神(安閑天皇のおくり名、在位五三四~五三五、異説あり) (通称 東の権現さん) 〉 祭神から見ると、当社は金峰神社(蔵王権現)系の神社で、水銀や金属の神を祀ると思われる。尾根続きの北東側2㎞ばかりの所に権現山があり、ここは金峰神社を祀っている。和泉式部も参籠したというから古来有名な社であるが、そうした系統の神社であろうか。 曹洞宗桃林山万泉寺 『丹後国竹野郡誌』 〈 萬泉寺 曹洞宗にして字切畑にあり (仝寺調文書) 宮津智薩寺の主派なり本尊釈迦牟尼仏開基二百餘年前にして、元五六町西南なる寺谷と称する處にありしものなりと云ふも舊記の考ふべきものなし、其處に薬師堂現存せり以前は真言宗なりしと云ふ、現今の状態 本堂六間半五間 庫裡六間四間経蔵一 土蔵一 境内反別一反八畝十六歩境外所有地反別七反五畝歩 祠堂金一百円 檀徒字切畑全部 (宇川村上山寺蔵年代目録)寛延二年本堂再建. 〉 『網野町誌』 〈 桃林山萬泉寺 曹洞宗 切畑 本尊 聖観世音菩薩 <由緒・伝承> (同寺調文書)当山は宮津智源寺の末寺である。開基は寛文年間(一六六一~一六七三)と伝えられ、旧跡は下切畑の堂谷であるという。堂谷に入っていくと、左手に吉岡荒神があり、その近くに三界万霊塔がある。また、切畑元寺屋敷には天保二年(一八三一)に建立された石灯篭も現有する。 現在当寺は曹洞宗であるが、もとは真言宗であった。『竹野郡誌』によれば本尊が釈迦牟尼仏となっているが、聖観世音菩薩が祀られている。なお、平成五年(一九九三)ころ岩崎神社の境内に阿弥陀堂が再建され、上切畑の人びとによって管理されており、その堂の右手前に宝篋印塔がある。これは神仏習合の名残であろうが、万泉寺との関係は不詳である。 旧『網野町史』-開山智源寺二世橘州宗曇大和尚 旧『網野町史草稿』-寛保三年鐘鋳大乗妙典日本廻国供養 「宇川・上山寺蔵年代目録」-(一七四九)寛延二年本堂再建 昭和二年(一九二七)三月七日の奥丹後震災では、幸いにして寺の災害は免れた。しかし、同一八年三月二六日、当寺から約一〇〇㍍離れた下切畑の民家-現在の切畑集会所付近-から火災が発生し、その飛び火によって全焼したので、庫裡は古材、本堂は新村を用いて再建した。鐘は但馬の寺院から入手した相当古いもの(元切畑区長談)とのことであり、一度は金属回収令(昭和一六年八月)により供出されたが、その後返納されもとの位置に据えられたという。返納された理由については諸説あるが、定かではない。 注一 承応元年(一六五二)の「龍献寺古文書」には、龍献寺亦末寺として萬泉寺が記載されている。 二 本寺の法系は桂林寺(舞鶴市)で、旧跡の堂谷は現在地の北北西約四〇〇㍍離れたところにある。 三 宗派の改変については序文で述べたとおりであるが、それが信仰に直接影響を及ぼさない場合は、宗派と本尊が矛盾しても従前の本尊を祀っている例は各地でよくみうけられる。 〉 《交通》 《産業》 切畑の主な歴史記録『丹哥府志』 〈 ◎切畑村(郷村の西南) 【岩崎大明神】 【若一王子大明神】 【桃林山万泉寺】(曹洞宗) 〉 『網野町誌』 〈 <切畑> 郷の切畑は普通名詞では切替畑、又は焼畑の意で、土地の言葉で云うと、カリウです。この部落は山間の土地で山野が多いから今でも焼畑はよく行われていますし、昔は更に盛んに行われたものと思われます。 古語としての「切畑」の意義について小野武夫博士著、日本農民史語彙に「切畑=山間の樹木を切倒し、之を焼きて灰と為し、其の灰を肥料として穀物をそだてる畑地をいふ。大抵三四年にして、其養分薄くなり、作物繁茂せざれば、更に他の古畑跡に立帰り之を切返すを例とす。乃ち薙畑(なぎはた)に同じ」とありますが、当地では切畑と云う普通名詞はなくなり一般に方言で「カリウ」と云います。 注 ①刈生か 〉 切畑の小字一覧切畑(きりはた) 矢谷(やたに) タモノ木(たものき) コシキ谷(こしきたに) 峰ケ畑(みねがはた) ヲウカ谷(をうかたに) 下コウロ(しもこうろ) 下ノカヘ(しものかえ) 上コウロ口(かみこうろぐち) 葛尾(かずらお) 大ヘソ(おおへそ) 若所(わかどころ) 去谷(さるたに) 大ヘソ口(おおへそぐち) 寺ノ向(てらのむかい) 家ノ向(いえのむかい) 杉本(すぎもと) 家ノ本(いえのもと) アリウ谷(ありうたに) 大ワタ口(おおわたぐち) 大ワタ(おおわた) 石ノ元(いしのもと) 小坂(こさか) 小坂口(こさかぐち) 滝谷(たきだに) 姫松(ひめまつ) 長谷(ながたに) 小ワタ口(こわたぐち) 小ワタ(こわた) 宮ノ上(みやのうえ) 宮ノ下(みやのした) 三ノ谷(さんのたに) 縄手(なわて) 堂ノ下(どうのした) 左内谷(さうちだに) 北ガヘ(きたがへ) 北谷(きただに) 寺保(てらやす) 野ケ谷(のがたに) 中細(なかぼそ) 水無(みずなし) 野ツ京(のつきょう) ヲテ 鎌ケ谷(かまがたに) 堂谷(どうたに) 丸滝(まるたき) ウルシガ成(うるしがなる) ウリガ谷(うりがたに) 発田(はった) スベノ谷(すべのたに) 中ノ畑(なかのはた) 大土戸(おおどと) 上石(あげし) 林木(はやしき) ヲイト口(をいちぐち) 上発田(かみはった) 登リ尾(のぼりを) 岩倉(いわくら) 作道(つくりみち) 大糸口(おいとぐち) 堀田(ほった) 大糸(おいと) 掛川(かけがわ) 高路(たかみち) ノ本(すぎのもと) カリウ谷(かりうたに) 三谷(みたに) 佐内谷口(さうちたにぐち) 北太口(きたたぐち) 小谷(こたに) 口縄谷(くちなわたに) 下発サコ谷(しもはつさこたに) 柿ノ門(かきのもん) 財木(ざいき) ウリガ谷(うりがたに) 上発田滝(かみはったたき) 茗荷(みょうが) 高尾(たかお) 大林(おおばやし) 梨木鼻(なしきばな) 発サコ谷(はっさこだに) 代々木(よよぎ) 九滝向(ここのたきむかい) 岸ケ畑(きしがはた) 石ノ木(いしのき) 滝ノ上(たきのうえ) 堀田 柿ノ川(かきのかわ) 中細(なかぼそ) コシキ谷(こしきたに) 石ノ本(いしのもと) 小坂(こさか) 小松田(こまつだ) 真中谷(まなかだに) 大糸口川原(おいとぐちかわはら) 九滝向(ここのたきむかい) 関連情報 |
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【参考文献】 『角川日本地名大辞典』 『京都府の地名』(平凡社) 『丹後資料叢書』各巻 『丹後国竹野郡誌』 『網野町史』 その他たくさん |
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