丹後の地名 若狭版

若狭

佐野(さの)
福井県三方郡美浜町佐野


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福井県三方郡美浜町佐野

福井県三方郡耳村佐野

佐野の概要




《佐野の概要》
耳川左岸の興道寺の一つ川上側の集落。集落は佐野・上野(うわの)・野口からなり、戦後行政区としてそれぞれ区長が選出されている。「三方郡誌」に「佐野の小名に野口・上野あり」と見える佐野・野口・上野の3集落は、神社・寺院もそれぞれ所在し、独立村としての機能を備えているが、古くから3集落を合わせて佐野と称している。弥美神社の春祭りには,佐野・野口・上野の順に3年に1度獅子舞を奉納している。このようなことから、戸数・人口の多い佐野・野口・上野をまとめて「大三ヶ」といい、これに対し寄戸・五十谷・安江の3集落を合わせて「小三ヶ」と呼んでいる。
中世の佐野は、戦国期に見える地名で、永享11年(1439)と推定される山西郷二十八所社棟上の時に、「さのとの」が馬2匹を進上している。地名としては天文17年(天文1548)3月16日の気山猿楽大夫とその座衆が「耳庄之内廿八所佐野分太刀銭」450文を売却しているのが初見。永禄5年4月の二十八所社祭礼膳日記に「下司・佐野合一村六膳」とあって、佐野が6膳のうち4膳を供えることとされている。文禄4年(1595)11月4日に木下勝俊が発した掟の宛所として「三方郡佐野百姓中 小左衛門」が見える。永禄6年(1563)に佐柿国吉城に籠城した武士のうちに佐野村の大塩長門・渡辺嘉左衛門・野崎備前・津田嘉兵衛がいたと伝える。
近世の佐野村は、江戸期~明治22年の村。小浜藩領。南端に近い梨木に、耳川から水を取入れる荒井用水がある。この用水路は小浜藩の郡奉行行方久兵衛が気山村付近の新田開発のために開削したもので寛文5年(1665)に完成した。同用水は佐野村から興道寺を通り気山に達していて、 181町余の水田をうるおしていたが、渇水のためしばしば水論が起こった。のち戦後になって荒井堰が廃止され、その後はそれより約500m上流の元井を統合堰として改良し、水路橋によって一部を荒井用水に流している。「雲浜鑑」によれば、戸数97・人口430。はじめ耳庄組に入っていたが、のち山西郷に入った。明治4年小浜県、以後敦賀県、滋賀県を経て、同14年福井県に所属。同22年耳村の大字となる。
近代の佐野は、明治22年~現在の大字名。はじめ耳村、昭和29年からは美浜町の大字。明治24年の幅員は東西3町・南北15町、戸数101、人口は男276・女258。


《佐野の人口・世帯数》 99・29


《佐野の主な社寺など》

八幡神社(上野)

『美浜町誌』
八幡神社
鎮座地…佐野三九-三六(上野)。現祭神…応神天皇。例祭日…四月十四日。旧社格…無格社。氏子数…二五戸(平成五年)。『福井県神社明細帳』に寛政元年(一七八九)に八幡大神を勧請奉祀したという。文化七年(一八一〇)に小社を創祀して天照皇大神の分霊を奉祀したという。


愛神社(佐野)

耳川沿いに愛神社がある。かつて耳川がたびたび氾濫して住民が難渋したので、その地に祀ったところ川筋が定まったといわれる。現在同社の祭神は愛染明王だといわれるが、「三方郡誌」には「久那斗神を祀る」と記される。
このごろは洪水はありませんが、きょうびのことですから、何がおこることやら、安心はできません、神頼みしかありません。とか
『美浜町誌』
愛神社
社号は別に愛染神社と称される。鎮座地…佐野二五-一五。現祭神…愛大神。例祭日…七月一日。旧社格…無格社。氏子数…二七戸(平成五年)。明治四四年十二月十一日に弥美神社に合祀され、昭和二十年以降に還御した。


『三方郡誌』
愛神社。佐野に鎮座す、久那斗神を祀る

(あえ)の神のことらしい。


天満神社(野口)

『美浜町誌』
天満神社
鎮座地…佐野四七-一〇(野口)。現祭神…菅原道真。例祭日…三月二五日。旧社格…無格社。氏子数…二四戸(平成五年)。明治四四年十二月一日に弥美神社に合祀されたが昭和二十年以降に還御した。



浄土真宗本願寺派西方寺(佐野)
愛神社の向かいにあったそうだが、今はなく寺地は駐車場になっている。「若州管内社寺由緒記」に、由緒不知とある。


浄土真宗本願寺派?龍山西誓寺(上野)

もと天台宗で西福寺と号したと伝える。「若州管内社寺由緒記」に、「一向宗 是は法名□□(善海か)と申候 越前敦賀の内井川村の住人当村へ来天正七年の此建立仕候」とある。
『三方郡誌』
西誓寺。眞宗寺。共に眞宗本願寺派佐野に在り

曹洞宗金岳山玉伝寺(無住)(野口)

農事集会所の看板になっているが、たぶんこの建物。
「若州管内社寺由緒記」に、「玉伝庵 禅宗 古来より御座候 由緒不知」


《交通》


《産業》


《姓氏・人物》


佐野の主な歴史記録




佐野の伝説






佐野の小字一覧


佐野  菅原 西菅原 炭焼 小井ノ口 称間田 下河原 堂田 久保田 清水田 藪ノ下 岸ノ下 殿ノ下 北中 馬場 中深田 八反田 岸ノ上 池田 上海道 茶ノ木 三頭 畔高 的場 尻江 宮ノ下 内輪田 風ヶ下 風ヶ上 久掛田 井ノ口 中溝 井ノ上 八斗代 砂子田 井ノ谷 堤田 兀尻 西山 竹ノ下 三ッ石 大石 柿ノ下 西野 村中 梨ノ木下 荒井口 菴ノ上 村ノ上 竹中 中原口 赤坂 谷ノ口 北谷 丸山 丸谷 隠谷 新堀 渕ノ上 樋ノ口 南林 山子谷 坂ノ元 坂尻 坂ノ下 百町 谷田 並本谷 並木元 形部田 是邪窪 秋坂口 新庄口 松ノ木原 愛宕原 雲谷口 小谷 石高 是知毛 倉萩 小雲谷 原口 岳ノ下 北谷原 雲谷原 高善菴 上ノ山 穴谷 不前道 古知屋谷 砂原 赤道 西原 中ノ原 萩ノ谷 黒滝 白滝 松尾 割谷 三ッ峯 岩角 長尾 坂掛 上洞 ヲサ行 シタ谷 安井山 間谷 細ヶ谷 佐戸 雲谷

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【参考文献】
『角川日本地名大辞典』
『福井県の地名』(平凡社)
『三方郡誌』
『美浜町誌』(各巻)
その他たくさん



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