旧・山東村(さんとうむら)
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福井県三方郡美浜町坂尻・山上・太田・佐田・北田・菅浜・竹波・丹生 |
旧・山東村の概要《旧・山東村の概要》 近代の山東村は、明治22年~昭和29年の三方郡の自治体。坂尻・山上・太田・佐田・北田・菅浜・竹波の7か村と丹生浦が合併して成立した。旧浦村名を継承した8大字を編成。役場を佐田に設置、明治41年新築。 明治42年の田296町余・畑106町余・宅地28町余・原野10町余・池沼5,526歩・山林2,942町余・官有社寺地1万7、215歩・塩田1万9、818歩、戸数609、人口は男1、848・女1、789。農業を主とし,坂尻・菅浜・丹生は漁業にも従事。昭和28年の台風13号の被害により災害救助法が適用された。昭和29年美浜町の一部となり、当村の8大字は同町の大字に継承された。 美浜町の最東部で、敦賀半島の西部から、その南の金瀬川、太田川領域、若狭湾に面して位置する。地名は、 中世の山東郷。鎌倉期~戦国期に見える郷。山東荘とも記す。山東の読みは、応永31年(1424)の三方郡丹生浦・竹波浦の絵図に「山とうのさかへ」と記され(丹生区有文書)、室町期の山西郷二十八所社棟上注文(園林寺文書)に「さんとう」とあることからわかる。国衙領。文永2年(1265)の若狭国惣田数帳写の本庄の項に 室町期には「親元日記別録」政所賦銘引付の文明9年(1477)9月15日の記事によれば、大森吉久なる者が山東下野入道を郷代官職に任命したが、彼が返弁(郷の年貢・公事の未納か)できなかったため訴訟になっている。大森吉久は代官職を任命しうる当郷の知行者か、あるいは当郷は幕府料所で吉久はその給主と推定される。なお同引付の同10年9月21日・11月8日の記事によれば、当郷に則恒名・有清名・泉名の各名があり、満願寺・太田極楽寺・菅浜福林寺の各寺田が含まれていた。 その後、天文10年(1541)4月26日付若狭守護武田信豊安堵状によれば郷内宗景名一円が散田分田畠・屋敷地などとともに宗景又四郎に安堵されている。近世初頭の慶長5年(1600)10月28日付京極高次安堵状(田辺家文書)では、山東郷の半大夫に郷内の麹座の権益が保証されている。 旧・山東村の主な歴史記録『三方郡誌』 山東村 一 名稱 本村の境域は、酒井氏領國時代に於ける山東組の地たり、山東の稱は織田庄山東郷に基く。今の村名亦之に因る。 二 位置 郡の東部に位し、東は越前敦賀郡松原村、及び粟野付に接し西南は耳村に接し、西及ひ北は日本海に面せり。 三 大字 本村は左の八大字に區劃す。 坂尻 山上 太田 佐田 北田 菅濱 竹波 丹生 太田に小名山本・中筋・門前あり。 佐田に小名今市あり。佐田は俗にオッタと稱す。行田の文字はオッタと訓するに由なし。里人云、此村むかしは織田村といへるを、後に今の文字に改めたりと、因てオッタと稱するか。佐田の文字は、天文十二年の田邊文書に見えたり。而して多賀越中守の書にさた村とあり。慶長・寛永の際は字の如くにサタと稱したり。蓋し始よりさたに非るか。オッタは何時頃より稱するか詳ならす。永禄四年の田邊文書に、小田村とあるは佐田村の事か、太田村の事か、尋ぬべし。 菅濱は天日槍か若狭を過きし時、暫く滞りたりし地なりと云ふ。その説、須可麻神社の條に在り、參照すべし、建徳元年、〔北朝応安三年〕山東郷に一揆起り翌年正月守護代と此處に戰ふ。 〔若狭國守護職次第〕 應安三年十二月に山東山西郷に守護代を入。彼所を被押之間、同晦夜、守護使壹岐太郎を夜討にし畢ぬ、此山を聞、同四年正月二日、守護代西津を立て山東山西に押寄、菅濱に於て合戦有之、兩方之手負数十人、雖然守護殿方は死人外之、山東方は少々被討了。 丹生、その名延喜十九年に初て見ゆ。同年渤海大使斐璆、此浦に漂着す。之を越前松原客館に徙したり。園林寺文書永仁五年僧慶善私領田寄進状に一所、一段云々、在所長法寺大門白川西、四至東限邇生河南限安住名境、西限國包名境、北限邇生河とある邇生河を、伴信友に此地の川なるべしと云へり 関連情報 |
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【参考文献】 『角川日本地名大辞典』 『福井県の地名』(平凡社) 『三方郡誌』 『美浜町誌』(各巻) その他たくさん |
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