丹後の地名 若狭版

若狭

仏谷(ほとけだに)
福井県小浜市仏谷


お探しの情報はほかのページにもあるかも知れません。ここから検索してください。サイト内超強力サーチエンジンをお試し下さい。


福井県小浜市仏谷

福井県遠敷郡内外海村仏谷

仏谷の概要




《仏谷の概要》
仏谷は内外海半島南部に位置し、南は小浜湾に面する。双児崎の海上には双児島が浮かび若狭湾国定公園の景勝地の1つとして人々に親しまれている。伝承によれば、かつては阿弥陀川近辺に集落があり坂尻と呼ばれていたが、人口の増加に伴い坂道を開いて現在地に集落を移し、嘉吉元年当地の脇左衛門が海中から如意輪観音像を拾い上げてから仏谷と改称したと伝える。
仏谷村は、戦国期に見える村。文永2年(1265)11月の若狭国惣田数帳案に遠敷郡光里名に1町の寺領を持つ仏谷寺が見えるが、地名としては天文22年(天文1553)閏正月28日の開発四村刀禰等連署山売券に「仏谷之村惣中」と見え、「開発四村」の惣中から当村惣中へ「ふくら山」が売り渡されている。弘治2年(1556)6月22日の明通寺鐘鋳勧進算用状には「百文 ほとけ谷」と見える。天正3年(1575)3月7日の孝吉証状には仏谷村の山林・海上の堺として「東ハかいわり并ふくら山之事者不及申、西之さかい者ゆの竹北之谷、上ハ中はけ、下ハ海まて」と見え当村の村境が定められている。
近世の仏谷浦は、江戸期~明治22年の浦名。小浜藩領。
田畑の多くは山越えした所に(もと村があったところ)あり、こやしを運べないために肥料として海藻を利用した。村内に7人の牛主がいて牛が耕作などに利用されていた。慶長7年(1612)の若狹国浦々漁師船等取調帳では、船数は3人乗1、個人有1人乗1と記されている。明治4年小浜県、以降敦賀県、滋賀県を経て、同14年福井県に所属。同22年内外海村の大字となる。
近代の仏谷は、明治22年~現在の大字名。はじめ内外海村、昭和26年からは小浜市の大字。明治24年の幅員は東西1町余・南北50間、戸数15、人口は男45・女46、小船28。


《仏谷の人口・世帯数》 42・11


《仏谷の主な社寺など》

熊野神社

村の入り口に鎮座。
『内外海誌』
熊野神社
所在 小浜市仏谷9号5番地
祭神 伊弉冊尊。例祭 4月23日。氏子数 12世帯
本殿 流レ造4坪。向拝 1坪計5坪。鳥居石造一基。長床 6坪
境内地 62.47坪(被譲与国有地)
境内神社 稲荷神祠(祭神倉稲魂命)若宮社(若宮大神)
人皇第百十三代仙洞御宇に紀伊国より勧請し仏谷村主人大橋脇左衛門宗継を主とする仏谷村民によって創建された。中頃若王子社と尊称した。仏谷の氏神。
 「若王子社 仏谷浦にあり、里人の産神にして正月十八日流鏑馬の行事あり、又九月廿三日祭礼を行ふ」若狭郡県志。


『遠敷郡誌』
熊野神社 村社にして同村佛谷浦字宮ノ下にあり、元若王子社とも稱し、此浦の産神なり、祭神は伊弉冊命にして境内神社に稲荷神祠祭神倉稲魂命及若宮社祭神不詳明治十七年許可の二社あり。


臨済宗南禅寺派望海山仏谷寺

集落の中央
『内外海誌』
仏谷寺
所在 小浜市仏谷10号5番地
本尊十一面観世音菩薩
臨済宗南禅寺派
本堂 19.81坪。庫裡 22.75坪。納屋 3.91坪
境内地 136坪。所有山林 2丁8反8畝。原野 1畝2歩
堂内仏像 本尊仏像の他誕生仏(1)
檀徒 12戸他計13戸
本寺院ハ慶長年間ノ創建ニシテ高成寺会下ノ僧精玉養公和尚ヲ請シテ開山トナス当時ハ茅屋ノ小院ナリシモ逐次面目ヲ改メ天保六年看護紹智和尚ニ依リ再建爾来今日ニ至ル。寺記。
「同村(註仏谷村)仏谷寺 禅宗高成寺末 若州仏谷村仏谷寺代々高成寺末にて御座候 天正五年養首座開基と申伝候
 卯九月廿三日 住首座」若州管内社寺由緒記。


『遠敷郡誌』
佛谷寺 右同宗本尊は十一面観世音にして同村佛谷浦字東頓谷に在り、慶長年中精玉の開基なり。


《交通》


《産業》


《姓氏・人物》


仏谷の主な歴史記録




仏谷の伝説

『越前若狭の伝説』
甲が島                 (仏  谷)
 むかし府中村の神主木下六郎兵衛がこれを領しており、その故に甲府(こふ)島と称した。永正九年(一五一二)五月十二日甲崎村の式部亟(じよう)畑田なにがしが二貫二百文で買って後、甲島と改めた。その売買証が今も甲か崎の民家にある。     (若狭国誌)





仏谷の小字一覧


仏谷  権岩 平谷 脇田尻 田尻 上後浜 下後浜 出鼻船浜 宮下 東村谷 坂道 中村谷 北村谷 西村谷 東大谷 北大谷 西大谷 南大谷 小清水 大清水 左清水 堤谷 坂尻 柿ノ木谷 木代谷 堂田 大谷 大谷口 這上里 ?(日+向)尾 梅ノ木坂 大坪 高森 山崎 梶田 六石 天満元 鍛冶谷 石田 尾々田 深田 葭原 大堤 上丁田 前田 丁田 松ノ前 砂子浜 細谷 割谷 小フクラ フクラ 二児元 二児 鰺網場 兀ノ下 助治郎畑 梅ケ谷 大谷 奥城 児島 川上

関連情報





資料編のトップへ
丹後の地名へ


資料編の索引

50音順


若狭・越前
    市町別
 
福井県大飯郡高浜町
福井県大飯郡おおい町
福井県小浜市
福井県三方上中郡若狭町
福井県三方郡美浜町
福井県敦賀市

丹後・丹波
 市町別
 
京都府舞鶴市
京都府福知山市大江町
京都府宮津市
京都府与謝郡伊根町
京都府与謝郡与謝野町
京都府京丹後市
京都府福知山市
京都府綾部市
京都府船井郡京丹波町
京都府南丹市





【参考文献】
『角川日本地名大辞典』
『福井県の地名』(平凡社)
『遠敷郡誌』
『小浜市史』各巻
その他たくさん



Link Free
Copyright © 2021 Kiichi Saito (kiitisaito@gmail.com
All Rights Reserved