丹後の地名 若狭版

若狭

中ノ畑(なかのはた)
福井県小浜市中ノ畑


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福井県小浜市中ノ畑

福井県遠敷郡遠敷村中ノ畑

中ノ畑の概要




《中ノ畑の概要》
下根来から根来峠へ向けて県道のきつい坂道をだいぶに登った所で、深い谷間で下は根来川、両側からは険しい山が迫る、広い平らな場所はない。昭和28年まで20数戸であったというが、同年の台風と木炭需要の減少により過疎化が進行し、今は誰もいない廃村で、廃屋が幾棟か残っている。

中ノ畑村は、明治7~22年の村。上根来村から分村して成立。敦賀県、滋賀県を経て、明治14年福井県に所属。もとは上根来村に属していたが、江戸期からすでに独立村と同等の扱いを受けていたことも多かったようであるという。炭焼きと畑作を主な生業とし、名田庄の諸村と山を越えて深い関わりを持っていた。明治22年遠敷村の大字となる。
中ノ畑は、明治22年~現在の大字名。はじめ遠敷村、昭和26年からは小浜市の大字。明治24年の幅員は東西1町余・南北2町、戸数29、人口は男83・女74、学校1。雪が多く交通が不便な所に位置するため、高度経済成長の過程で過疎化が急速に進んだという。


《中ノ畑の人口・世帯数》 0・0


《中ノ畑の主な社寺など》

曹洞宗瑞雲寺
『遠敷郡誌』
瑞雲寺 右同寺末(曹洞宗永平寺末)同本尊(釈迦如来)にして同村中ノ畑字庵ノ上に在り。



《交通》


《産業》
マンガン鉱
『郷土誌遠敷』
中の畑のマンガン鉱山
中の畑のマンガン鉱の採掘については、この仕事に従事していた方々よりの聞き取りによって纏めた。事業の組織はわからないが、採掘の主(鉱山権、採掘権を持った人)は京都の人で、田中楠之亟という人であった。事務所は中の畑のお寺瑞雲寺の下にあり、田中氏はその川向かいの上所の麓に居を構えていたという。事務所の方には中の畑の向山氏、山口氏、大倉氏等が詰めていたという。
鉱山は、県道・高塚・中の畑・挙原線の中の畑より約一キロメートル位で左の方の谷にあり、挙原側にも鉱口があり、ここよりは索道によって峠まで上げ、そこから中の畑側へ降ろしていた。中の畑側からは人力による背負い運搬で、男は十貫入りの叺(かます)を二叺(二十貫、七十五キログラム)を女は一叺(十貫、三十七・五キログラム)を背負って県道の荷馬車の通れるところまで二キロメートル位は運んだという。
頂上付近の平地には、朝鮮人数家族が飯場を構えて生活し、マンガン鉱の採掘と索道による運搬に従事していたという。その子ども達は上根来小学校まで三キロ余もの山道を通っていたという。
中の畑マンガン鉱の採掘は、昭和十七年(一九四二)頃から昭和十九年頃までか。…
終戦時にはもうなかったらしい。昭和十九年(一九四四)頃か、ダイナマイトの湿気を取るためにダイナマイトを天日干し中に、何等かの原因は不明だが、暴発を起こし三名即死、一名重傷(この人は失明した)その他にも負傷者があったらしい。
これらの原因によって、閉山されたものではないかといわれている。これらのことは軍
事秘密として一般に公表されず闇の中である。
現在マンガン採掘現場(抗口等)まで行ける人はもう少ないのではないか。皆んな老齢化しているし、知っている人でも行けないのではないか。

別記
この工事現場には本記で記した人以外に多くの人が来ていた。
設営等に関する人では中名田の上田出身の池山氏。後に遠敷の市場に居を構えていたが、現在は中の宮に住宅を建て、その子孫が住んでいる。
マンガンを運ぶ人の中に下根来長瀬出身の山本三蔵さんという人がいたが、大変な力持ちで人の倍も運んだということである。この人は今度の戦争で戦死している。
中の畑マンガン鉱山に関係していた人々はもう皆高齢化し、老体でほとんどが病院に居られるようで、聞き取り可能な方は平石ヨ子さん、小西トヨさん、前田喜代子さんの三名ぐらいである。ほとんどの人が他界しているので、この調査がもう少し早かったらなあと悔やまれる。



《姓氏・人物》


中ノ畑の主な歴史記録




中ノ畑の伝説






中ノ畑の小字一覧


中ノ畑 欠 上欠 平田 石休場 上坪池 坪池 霞谷口 笹尾口 桃ノ木谷 口ノ谷 下鏡岩 上鏡岩 上秋葉 下秋葉 溝脇 上水家 上条 清水 奥ノ下 蛇部 岩佐古 蕎麦田口 蕎麦田 菴下 水欠 稲木平 稲木平口 菴ノ谷 菴ノ上 堂ノ上 堂ノ下 六地蔵 向山 緑浪 瀬戸川 阿治谷 中ノ畑田 古知苅 釣谷 根来谷

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【参考文献】
『角川日本地名大辞典』
『福井県の地名』(平凡社)
『遠敷郡誌』
『小浜市史』各巻
その他たくさん



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