丹後の地名 若狭版

若狭

東市場(といちば)
福井県小浜市東市場


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福井県小浜市東市場

福井県遠敷郡松永村東市場

東市場の概要




《東市場の概要》
国道27号線が松永川を越す「松永橋」の東詰の集落。地名の由来は、遠敷市庭の東に市が立ったことによるとされる(若狭郡県志)。
鎌倉時代は松永保に属した。近世には東市場・上野・四分一・三分一・門前・池河内・平野の諸村を松永組と称したという。
東市場は、戦国期に見える地名。文明3年(1471)9月20日の明通寺寄進札に「東市場兵衛尉 橘宗次」とあるのが初見。文明17年・天文18年・元亀3年の寄進札にそれぞれ「施主東市場番匠大工」「東市場田中二郎大夫女」「東市場大工 次郎兵衛」と見えて、大工が集住していたことがわかる。その他,東市場の五郎兵衛が買得して明通寺灯明田として寄進していた松永領家分則俊名の抜地を平城信基は大永7年(1527)没収した、改めて明通寺に寄進している。
東市場村は、江戸期~明治22年の村。小浜藩領。「雲浜鑑」によれば、家数52・人数257。松永谷の村々の中では最高の村高があるが、寛政4年から享和2年の約10年間に3度の洪水にあって、天明7年と享和元年には売地・売山が記録されている。太興寺・平野・上野・四分一・三分一・池河内の村々とともに背持稼業を行っており、重要な収入源であったという。明治4年小浜県、以降敦賀県、滋賀県を経て、同14年福井県に所属。同22年松永村の大字となる。
東市場は、明治22年~現在の大字名。はじめ松永村、昭和26年からは小浜市の大字。明治24年の幅員は東西4町余・南北3町余、戸数54、人口は男150 ・女144。


《東市場の人口・世帯数》 191・66


《東市場の主な社寺など》

日吉神社

字口八幡田に鎮座。祭神大山咋命。旧村社。日吉山王大権現ともいう。近世までは北川左岸字北横田に鎮座し、横田の宮・横田の杜とも称し、別当は神宮寺であった。延慶元年(1308)、近江日吉山王社(大津市)の神を勧請したと伝え、十一面観音を安置したという。集落より離れ、北川に接して破損著しく、明治14年現在地に遷座したという。境内社に天満社・山祗神社・乙姫社・広峰神社がある
『遠敷郡誌』
日吉神社 村社にして祭神大山咋尊なり、同村東市場字口八幡田にあり、元横田山王社と稱し今の境地より北方横田森にありしが、北川の水害あるを以て明治十四年今の所に移す、昔武田宮内大輔賢秀子息次良太良國秀の再興と傳ふ、境内に四社あり何れも明治十四年此所へ移轉せしものなり、即天満社は祭神不詳元字森下にあり、山祗神社は祭神大山祗神元字上萱にあり、乙姫神社は祭神不詳にして元字森間にあり、廣峰神社は祭神素盞鳴尊にして元字稻口にありしものなり。


曹洞宗大森山隣向院

国道27号から松永の東堤防を少し下ったところ。
『遠敷郡誌』
隣向院 曹洞宗永平寺末にして本尊は釋迦如来なり、松永村東市場字民安に在り、永祿の頃佐梯城主粟屋越中守建立の小庵あり、遠敷神通寺住職代々隱居し神通寺末なりしが明治十一年六月今の如く改む、境内佛堂に觀音堂あり、本尊は十一面觀世音にして鳥羽城主香川大和守の守本尊なりしと云ふ。


《交通》


《産業》


《姓氏・人物》


東市場の主な歴史記録




東市場の伝説


『越前若狭の伝説』
観音堂            (東市場)
 隣向院の観音堂の本尊は、泰澄大師作の十一面観音菩薩である。当国鳥羽山の城主香川大和守の守り本尊であった。享禄二年(一五二九)の秋大和守は難病に苦しみ、すべての医療が効なく、よって観音に祈願して、「もし早くなおしてくだされば、一宇の寺院を造立します。」といった。しかるところ八月十七日夢想に、観音は光明を放って、「お前の心をこめた願いに感じ、すぐになおしてやろう。寺院を建てようと思うならば、西の方の深山に松原があり、松永谷という。そこはわたしの結縁の地であるから、すみやかに造営せよ。」と告げた。夢さめるとともに病気はなおった。大いに喜んでこの地に寺院を建てた。     (松永村誌)




東市場の小字一覧


東市場  萱ノ窪上 野木境 萱ノ窪中 萱ノ窪下 大窪 中萱 下萱 横田 横田前 上萱 五反田 下河原 中穴田 穴田 乙姫 新保田 叶田 横江 村下 稲口 森下 森間 猿橋 上穴田 上大窪 大清水 深田 向清水 社ノ神 上高柳 高柳 南繩手 西縄手下 村上田 八束 小清水 永田 村中 橋本 民安 境ノ手 国分縄手 上赤坂 下赤坂 西赤坂 南赤坂 砂 下八幡田 曲り途 奥八幡田 杉尾 口八幡田 中八幡田 上小清水 下小清水 宮ノ前 山鼻 割谷 直砂 宝照

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【参考文献】
『角川日本地名大辞典』
『福井県の地名』(平凡社)
『遠敷郡誌』
『小浜市史』各巻
その他たくさん



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