丹後の地名

力石(ちからいし)
京丹後市丹後町力石


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京都府京丹後市丹後町力石

京都府竹野郡丹後町力石

京都府竹野郡豊栄村力石

京都府竹野郡八木村力石

力石の概要




《力石の概要》
吉永川支流力石川の上流域で、吉永から約3㎞東へ山道を登りつめた標高200m前後の地に位置する。
この道を2㎞行けば力石、そして大石と続くはずなのだが、行けるのか不安になる。地図に道路がない。このあたりは地図に道路があっても通れない、きわめて通行困難な箇所がある場合がある。車が降りてくるからあるいは行けるのかも知れないが、やめた。
力石の経浮こう
中世のちからいしの里で、戦国期に見える地名。「丹後御檀家帳」に「一 ちからいしの里 家六拾軒斗」と見える。
力石村は、江戸期~明治22年の村名。はじめ宮津藩領、享保2年幕府領、宝暦13年但馬出石藩領、天保6年幕府領となる。当初吉永村の枝郷、のち分村独立。明治元年久美浜県、同4年豊岡県を経て、同9年京都府に所属。同22年八木村の大字となる。
力石は、明治22年~現在の大字名。はじめ八木村、大正14年豊栄村、昭和30年からは丹後町の大字。平成16年から京丹後市の大字。昭和32年4月の大火で26戸のうち24戸が焼失。近郷への離村が相次ぎ、続く同38年の豪雪で力石分校校舎も倒壊、再建を図ったが効なく、同50年には全戸離村した。

《力石の人口・世帯数》 0・0

《主な社寺など》

石括大明神(石久々里神社)
『丹後国竹野郡誌』
 〈 石久々里神社 村社 字力石小字宮ノ下鎮座
 (神社明細帳)  祭神 天香山命
  創立不詳、延宝六年再建、明治四年村社に列す、
 本 殿  梁行 一間五寸
      桁行 二間五寸
 拝 殿  梁行 一間四寸
      桁行 四間半
 境内坪数 千八百九十二坪  〉 

『丹後町史』
 〈 石久々里神社 力石小字宮ノ下
天香山命を祭る。延宝六年再建され明治四年村社となる。
昭和三十二年四月力石部落二十四戸全焼と昭和三十八年の豪雪後離村あいつぎ、昭和四十四年九月吉永神社に合祀した。  〉 


《交通》


《産業》


力石の主な歴史記録


『丹後国御檀家帳』
 〈 ― ちからいしの里  家六拾軒斗
かうおや      かうおや
 たうさん入道殿   うへの坊
 井上五郎左衛門殿  中 の 孫 助 殿
 助 左 衛 門 殿   たうせん入道殿
〆  〉 

『丹哥府志』
 〈 ◎力石村(吉永村の南)
【石括大明神】(祭九月九日)  〉 

『両丹地方史』(S39.12.30)
 〈 亡びゆく村々を思うて
宮津市 岩崎英精
 前略。本日これから申しますことは、他の諸先生方のようご研充発表ではありませんで、実は私どもの位に奥丹後地方に、ここ数年来ひきつづいておこりつゝある恐ろしい現象、それは幾百千年の歴史ある山村が、次ぎ次ぎと潰れていくという事実につきまして、これはやがて全国的にひろがる性質の現象でもありますので、この際ぜひとろ皆さん方に絶大なるご関心をいただくよう、お訴え申し上げたいものであります。
ご承知のとおり、かって徳川時代によくみられた「逃散-ちょうさん」ということ、すなわち村中が先祖伝来の故郷を捨てて一夜のうちに住民が離村して村が潰れてしまうという事実、その「逃散」が昭和の今日、自民党政府の政治のなかで、あちらにもこちらにもみられる現象なのであります。私はこの事実を「現代的逃散」と申しておりますが、実に白夜堂々と「逃散」が行われ、しかも徳川時代のように「強訴・徒党・逃散」といって、幕藩による圧制への抵抗としての犯罪ともみられないで、政府も地方行政体もほとんどとこれという対策もないままに、住民は村を見捨てて離村してしまうのが、まことに現代的逃散にみられる特長であります。
 そこで私共の住む奥丹後地方で すでに亡びてしまった村々をあげますと、左のような実状でありまして、なんとも言葉にもあらわしえぬようなひどい有様であります。その村々こいうのは…
宮津市。旧日ヶ谷付の牧、旧世屋村の麻谷・
松尾・駒倉・旧府中村の西谷・東谷。
与謝郡。伊根町旧筒川村の田坪・吉谷
竹野郡。丹後町旧豊栄村の力石・旧宇川村の
竹久僧・旧野間村の住山・小杉
といった実状でありまして、これらはいずれも現在潰れた旧藩時代の村々であり、町村制施行後は大字部落乃至小字であります。
 いま申し上げた村々は例外なく山村、丹後半島の屋根といわれる五〇〇メートルから七〇〇メートルの山々に囲まれた山村でありますが、この幾百千年の歴史に生きてきた村人が、先祖代々の墓をはじめ、苦心して築きあげた家屋敷も、先祖代々の血と汗とで育ててきた田畑、さらに個人の、あるいは共同の山林原野までも見捨てゝ、これらがいずれも経済的生産の価値を失って、まさに自然にかえってしまっても、何処からも誰からも一円の金も補償してはくれないのであります。
 しかもなおこれらの人々は村を棄てゝ出てゆくのでありますが、その出てゆかねばならぬ理由がどこにあるかと申しますと、それは「もうこの村ではとても生活が成りたたないから…」という一語につきるのであります。ある週間雑誌や新聞には昨年の豪雪に将来を絶望して出るんた…などと書いていたのもありますが、この人々は断じて単なる豪雪、一年や二年の大雪でヘコタレたのでは決してありません。楽しい生活、平和な暮しができるのなら、こうして先祖伝来の村を捨てるでしょう、もっとも多少の時代的影響はありましても、断じてこれらの村々が潰れるといった現象はおこらないはずであります。
 いわば、そこには豪雪よりも台風よりも、もっともっと恐ろしい現代的飢餓が彼ら村人をおそい、日夜ひしひしとその苦しみが肌にせまってくる昨今の生活、この怖ろしい現代的飢餓にたえられなくった人々が個々にまた集団で、村々を見捨てゝ出てゆき、そうして村は潰れ亡びるのであります。
 ではいったいその怖ろしい現代的飢餓とはどこからきたのでしょうか、それは戦後の生活環境の激変、ことに自民党池田内閣の「所得倍増政策」の結果でありまして、独占的な資本のみにはほゝえむ所得倍増政策こそは、豪雪よりも台風よりも怖ろしい飢餓の波であり、こゝにこそ現代的「逃散」は当然におこるべくしておこりつゝあるのであります。
 おそらく以上申し上げた村々だけが亡びたのではなく、きっとこれからもどしどしと亡びる村が出るでしょうし、これはやがて全国的規模において現われる前徴であることも間違いないと思うのであります。
 さて私が皆さんに訴えて、お願いしたいことは、ここであります。私はここで政治を語り、社会経済を云々しているの気はなく、このようにして潰れ亡びる村々と、その村々をつつむ村や町や市の、その歴史の変化を、この際ぜひとも強い関心をもって見守り、お互に地方史を目標とするものが協力して、私たち現代人の責任においた、後世の若い人たちに誇りをもって引継ぎうるような歴史を明らかにすべきだと思うものであります、どうかこの歴史の激変期に、ぜひとも皆さん方と共に、進ませていただきたいものであります。 (完)  〉 


力石の小字一覧


力石(ちからいし)
大ムカヒ(おおむかい) 谷(たに) 下ムカヒ(しもむかい) 大山(おおやま) ムカヒ 峠ノ坂(とうげのさか) 峠(とうげ) 新奥(しんおく) 家カタ(いえかた) 西ケ谷(にしがたに) 西(にし) 宮畑ケ(みやばたけ) ヤフ ヒカシ 下川(しもかわ) タケ 上方(かみがた) 大クコ(おおくこ) 青水カエリ(あおみかえり) 竹藤(たけふじ) 栃谷(とちだに) 柿ノ木(かきのき) カシ畑ケ(かしばたけ) マノリ 牛ケ畑(うしがはた) 大坂(おおさか) ウスカタ チンシウ チワラ崎(ちわらざき) 溝坂(みぞさか) 堂ノ下(どうのした) タワ 丸山(まるやま) 下入(しもいり) サイミ ウルシ谷(うるしだに) 内垣(うちがき) ナメラ 松ノ木(まつのき) 二反田(にたんだ) 小南(こみなみ) 中村(なかむら) 松枝(まつえだ) 古川(ふるかわ) 沖田(おきだ) イネノ上(いねのうえ) 荒木(あらき) 松ナシ(まつなし) 長尾(ながお) 寺尾(てらお) タナ田(たなだ) 矢畑坂(やばたざか) 黒ガヘ(くろがへ) ダンジリ 友成(ともなり) 万谷(まんだに) 大谷(おおたに) 滝尻(たきじり) イツキ 一段口(いちだんぐち) 入向(いりむかい) 市ケ尾(いちがお) 宮ノ下(みやのした) 古屋敷(ふるやしき) 立山(たてやま) 石括(いしくくり) 畑返(はたけがえし) 中尾(なかお) 太鼓(たいこ) 鍵畑(かぎばた) 神子谷(みこだに) 小林(こばやし) ヲテンチ 坂ケ谷(さかがだに) 矢畑(やばた* ヲサカ 林ノヲテ(はやしのをて) 向イガキ(むかいがき) 奥山(おくやま)

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【参考文献】
『角川日本地名大辞典』
『京都府の地名』(平凡社)
『丹後資料叢書』各巻
『丹後町史』
その他たくさん



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