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丹波の

佃(つくだ)
京都府綾部市佃町



佃(坂根正喜氏の航空写真070719)

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京都府綾部市佃町

京都府何鹿郡口上林村佃

佃の概要




《佃の概要》
このあたり上林川は山間を蛇行して流れ、その沿岸の河岸段丘上に集落が立地する。上流は忠村、下流は武吉村に続く。
佃は、戦国期に見える地名で、丹波国何鹿郡上林荘のうち。永禄5年9月7日の赤井時家折紙安堵状写に「上林庄下村之内久元番・同佃分等事」とあり、十倉九郎左衛門入道に安堵している。
近世の佃村は、江戸期~明治7年の村。はじめ旗本藤懸永勝氏知行地、のち旗本城下藤懸氏知行地、元禄2年から一部が旗本小山藤懸氏知行地となる。
明治元年久美浜県、同4年豊岡県を経て京都府に所属。同7年忠・武吉両村と合併し建田村となった。
佃町は、昭和28年~現在の綾部市の町名。もとは綾部市建田の一部。旧佃村の地域。

佃煮とかあって、全国に見られる地名だが、意味は「作り田」のことで、特には中世の地名である。
中世武士たちは、その領主経済の基礎を自らの屋敷に置いていた。交通路や用水などを支配しやすい要衝の地に面して、堀や土塁で囲まれた一角を成しているものが多い。そこは「堀の内」「土居」といわれるものである。食糧や資材を入れる倉庫、主人の住まいである主屋、従者・下人などが住む小屋などが存在する地域でもある。領主はこうした資材と人を動員して直接に農業経営に携わり、また屋敷の外に点在する小百姓たちを支配したのである。
農業経営上の大切な農地は「門田(かどた)」と呼ばれ、屋敷地に付属していたものが多い。いわば直営田として耕作されていたのである。
領主直営田の一部は「佃(つくだ)」、「正作」、「御正作(みそさく・みぞさく)」と呼ばれた。これは領主自らが指導して手作地として、従者・下人などに耕作させたり、彼らに宛てて小作させたりしてその経営を行ったものであるという。


《佃の人口・世帯数》 104・40


《佃の主な社寺など》

十二社神社


十二社熊野大権現   佃村 産神
祭ル神     祭礼 六月十四日 九月八日
舞堂鳥居 森凡三十間四方 此所ハ大竹生ス 凡廻リ尺四五寸有リ卜云
(『丹波志』)

十二社神社
一、所在地 何鹿郡口上林村大字建田小字宮の上(佃)
一、社 名 村社 十二社神社
一、祭 神 伊奘諾尊 伊奘冊尊
一、事 由 創立の由緒詳ならずと雖、上林川上佃橋より字岩崎の岩崖に至る九二町程の間、即ち本社の近傍は如何なる洪水にても水声を聞かず、故に音無川と称し紀州熊野に彷彿たりとて能野神社を遷して社号十二社と称すること古老の口碑に存す。此橋より少し上流に方て一の岩崖あり、之を新宮岩崎の岩壁、那智と称し小祠を建立し、本社と併せて熊野三社に象れるとか維新後廃社となせり。然れ共其岩崖は今に尚区民の敬畏する所たり、創立の年代も亦詳にする能はすと雖蓋又数百年のものなり。当社所伝の木槌あり
イ、甲辰九月四日鳥居立事 佃村 九郎右衛門の四代井上清左衛門
ロ、天文十九年より享保九年迄尚七十九年にや当社鳥居立事 天文十五年(不明)
  享保九甲辰年 此槌にて三度打也
  九月四日九郎右衛門孫四代井上清左衛門
是を以て考ふるに、此槌にて三度打つとあれば天文十五年以前既に鳥居を建設せしものの如し、又木槌及現存する社殿の蚕蝕の跡と、其淳朴にて古雅なるとに徴するに、蓋四百余年以前のものならん、其後正保四年丁亥八月附の板札ありと雖、是亦所々剥落して何等の事業を為せるものなるやを詳にする能はず。宝暦年中修繕を加へし事判然たり。寛政五年三月十三日神祇道長上下部長倶にて官職明治十六年社寺御調査の際村社十二社神社となる。現存する社殿を以て或は伝説に曰く飛騨工の建築なりと、真偽詳ならず。(以上記録元文)
一、建 物
 社殿 梁行二間三尺 桁行一間五尺 此坪数四坪五合七勺 建築年代不詳
 境内末社
 春日神社 梁行三尺五寸 桁行二尺五寸 此坪数二合四勺 建築年代不詳
 八幡宮 同  前    此坪数 同 前   同 前
 大神宮 同  前    此坪数 同 前   同 前
 愛宕御社同  前    此坪数 同 前   同 前
 休憩所 梁行二間 桁行四間 此坪数八坪 同前
 倉 庫 梁行一間半 桁行二間 此坪数三坪  同前
 神楽殿 梁行一間半 桁行二間 此坪数三坪 同前
一、境内地 地種 官有三種 坪数 七百拾貳坪 位置耕地の中
一、例祭日  十月八日
一、氏子戸数 六拾八戸
(『口上林村誌』)

金刀比羅講
宝永6年(1709)に始まるという金刀比羅講が佃・武吉・忠の3ヵ村で現在も行われている。



《交通》


《産業》


《姓氏・人物》


佃の主な歴史記録




佃の伝説






佃の小字一覧


佃町
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【参考文献】
『角川日本地名大辞典』
『京都府の地名』(平凡社)
『何鹿郡誌』
『綾部市史』各巻
その他たくさん



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