丹後の地名 若狭版

若狭

木野(きの)
福井県三方郡美浜町木野


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福井県三方郡三方町木野

福井県三方郡耳村木野

木野の概要




《木野の概要》
天王山南麓に位置し、南は佐柿、西は河原市に接する。国道27号、JR小浜線、梅街道が横断する。河原市境付近の国道と小浜線の間に住宅が増加し、栄区という行政区が誕生した。
往古の耳川は寄戸から宮代耳塚縄手の西際を経て、当地の高良木橋・木野神社の下を流れ、和田の岩淵を経て海に注いでいたという。国吉城主木村常陸介は、椿峠から耳川橋までじかに通行できる道をつくるまで木野を経由しており、交通の要所であった。木というのは()のことではなかろうか。国吉城以前から柵があった地ではなかろうか。
中世の木野村は、戦国期に見え、弘治2年(1556)6月の明通寺鐘鋳勧進に「木の村」が45文を奉加したとあり、同勧進使は「木野」で朝食をとったとある。永禄6年(1563)に佐柿国吉城に籠城した武士のうちに木野村大野右京進と田辺玄蕃がいたと伝える。
近世の木野村は、江戸期~明治22年の村。小浜藩領。「雲浜鑑」では戸数16・人口64、耳庄組に属していた。明治4年小浜県、以降敦賀県、滋賀県を経て、同14年福井県に所属。同22年耳村の大字となる。
近代の木野は、明治22年~現在の大字名。はじめ耳村、昭和29年からは美浜町の大字。明治24年の幅員は東西1町・南北2町余、戸数25、人口は男55・女50。


《木野の人口・世帯数》 137・41


《木野の主な社寺など》

古墳群
木野神社の近くに木野神社古墳(円墳)が1基ある。


木野神社(式内社)

天王山南麓。麓の集落から長い参道がある。今はその参道を梅海道が横切り、一部地下道の参道となっている。「延喜式」の木野神社に比定され、地元の伝承では宮代鎮座の弥美神社の元宮であるという、「二十八所祭礼膳日記」(園林寺文書)に「田楽村」とあるのは木野村ではないかと考えられているが、確証はない。天保14年弥美神社の祭礼の時刻を取り極めた文書に木野村庄屋が署名しているが、以後祭りの行事には参加しておらず、その理由は判っていない。
祭神は天日方奇方命。「正五位木野明神」(「若狭国神名帳」)、「二宮大明神」「二王(ノ)宮」(若狭国神社私考)とも称された。当社近くに木野神社古墳がある。

『美浜町誌』
木野神社
鎮座地…木野七-六。現祭神…天日方奇日方命・応神天皇・二宮大神・大山積命。例祭日…四月十三日。旧社格…指定村社。氏子数…二三戸(平成五年)。式内比定社であるが、『若狭郡県志』に「在二木野村一。祭二日吉二ノ宮神一乎。未レ詳レ之。四月朔日有レ祭。延喜式所謂若狭国三方郡木野神社云者乎。」とあり、『若狭国志』に「木野神社、在二木野村一。今称二二宮一。祭神不レ詳」とあるから以前は「二宮明神」と呼称されていたものとみられる。また『神社私考』に「今二宮大明神とも二王宮とも称ふ。祭日は四月朔日也。」と述べているから「二王宮」とも呼称されていたようである。木野区は、現在「キノ」と。言っているが、古くは「コノ」と呼ばれていた可能性もある。神名式の諸本に「コノ」訓があるからである。例祭日は、四月十二日であるが、古くは四月一日を祭日としたらしい。現祭神天日方奇日方命は『先代旧事本紀』に八重事代主神の御子神として見える。「若狭国神名帳」に「正五位木野明神」とある。しかし天日方奇日方命を祭神とする由緒は全くわからない。


『三方郡誌』
木野神社。村社、式内、木野に鎮座す。もと二宮大明神、或は二王ノ宮とも稱せり。祭神は天日方奇方命なりと云ふ、據る所ありや。國帳に正五位木野明神とあり。明治三十三年十月二十九日村社に列せらる。四十一年七月境内社を合祀す。


秋葉神社
天王山頂には秋葉神社が祀られ、木野村・佐柿村・和田村・坂尻村からそれぞれの登り道がある。4月下旬に道掃除をして村人が参拝する。村内に火災などがあると、海からマナゴ(海浜にある丸い小石の方言)を拾って持って詣る。


檀那寺は佐柿の曹洞宗徳賞寺。


《交通》


《産業》


《姓氏・人物》


木野の主な歴史記録




木野の伝説

大同姓
木野に住む大部分の家は大同という姓を名乗っている。その先祖の大同盛近が、坂上田村麻呂に従って鎌倉山の戦に軍功があり、ときの年号大同を姓として賜ったという。木野に住みついたのは大同2年(907)と伝えている。大同姓の家では、餅なし正月の伝承がある。



木野の小字一覧


木野  波賀曽 堅ケ谷 小山越 天水田 堂野下 宮ノ脇 宮ノ上 友竹 宮西 総菴 九弥畑 前田 村中 鍛治屋岸 西川 繩手 桑原 金塚 辻道 水生田 島田 六反田 三頭 宮東 広筬 塔ノ下 清水 東山谷 塔ノ上 狐越 焼山 白米谷 舟ケ谷 滝谷 田渕 小倉山

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【参考文献】
『角川日本地名大辞典』
『福井県の地名』(平凡社)
『三方郡誌』
『美浜町誌』(各巻)
その他たくさん



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