野原(のはら)
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《野原の概要》 野原は舞鶴市の東北部。大浦半島の東北。成生岬の西側に位置する。北西は若狭湾に面して奥まった砂浜の湾の奥に集落がある。野原漁港があり、沖に大敷網が設置されている。 海岸は野原海水浴場で海水浴客や釣り人でにぎわう。民宿が45軒ある。漁業体験施設「しおのめ」では干物づくりも体験できる。 《人口》303。《世帯数》74。 《主な社寺》 臨済宗東福寺派遊竜山瑞雲寺。 『加佐郡誌』 〈 遊龍山瑞雲寺、臨済宗、嘉永二年創立、東大浦村 〉 『丹哥府志』 〈 【遊龍山瑞雲寺】(臨済宗) 〉 『丹後国加佐郡寺社町在旧起』 〈 野原村。遊竜山瑞雲寺本寺海臨寺。 〉 若宮神社が鎮座。天満神社があり、加佐郡式内社「笶原神社」にあてる説がある。 西に続く小橋・三浜村と経済上・宗教上密接な関係をもち、冠島の老人島明神を三村共同の氏神として祀る。 《交通》 主要地方道舞鶴野原港高浜線が小橋から海岸に沿って集落の中を貫通し、北東へ向かう。現在東の田井に通じる大浦半島周遊道路が整備中。通行できない。 大山から野原へ野原川ぞいに道路が続く。 《産業》 半農半漁。
《丹後国加佐郡寺社町在旧起》 〈 野原村 遊竜山瑞雲寺本寺海臨寺。若宮大明神。天神宮。八幡宮。 沖之嶋老人嶋大明神三浜小橋野原之宮なり。 〉 《丹後国加佐郡旧語集》 〈 瑞雲寺、遊竜山、海臨寺末。若宮明神、氏神、鍵取 仁右衛門。天神宮、氏神。正八幡、氏神。海中沖ノ島。老人島明神…。沖の嶋に毎年隼巣を成す名隼也。巣ハ山上の崖ニ在りて人足不及所也窟の内に在り上ヨリもつこうに乗せ縄を付下し子隼を取、其取去に七斗三升壱合米を被下古例なり。 〉 《丹哥府志》 〈 ◎野原村 成生村より成生崎を越えて野原村へ至る凡一里、成生村より成生崎を廻る海程凡四、五里。 【若宮大明神】 【遊龍山瑞雲寺】(臨済宗) 【冠島】(宮津より海程凡八里、田辺より八里、小浜より八里、伊根湾より三里、野原、小橋より三里、出図) 【沓島】(冠島より相隔つ一里半、出図) 冠、沓の二島俗に沖の島といふ、一に雄島女島と呼ぶ、又大島小島、陰陽島、釣鐘島棒島、鶺鴒島などともいふ、皆二島相対する處の名なり。昔陰陽の二神爰に天降り初て夫婦の因を結ぶ、於是荒海大神といふ龍王を退治し給ふ、是時天女天降りて天の浮橋に松樹を植ゆ、天の橋立是なり、と風土記に見えたり。…略… 【老人島大明神】(島内) 老人島大明神俗に小島大明神とも称す、野原、小橋、三浜三ケ村の氏神なり。梅雨前後風波穏なる日浦々の者太鼓を撃つつ多く参詣す、蓋黄昏より船を艤して暁島に至る、島の前後に猟舟の泊するものあり、依て参詣の者酢、酒、味噌、醤油の類を船に出し用ふ也、其魚を買ふて之を肴とす、島の内にも自然生の菜大根の類あり、又竹の子、枇杷尤沢山なり、鯛などを釣る處を見て直に之を屠るに清鮮の味誠に妙なり、好事の者之を奇とする。宮内に米あり、難船の者爰に泊し、其米を借りて之を炊ぎ命を助かる者尠からず。 【洲先大明神】(島内) 島の南に洲あり長サ一丁余、蓋此洲あるを以て船の泊する所なり、其洲先に洲先大明神といふ、渺たる大洋の間風波の為に其洲の壊れざるは洲先大明神の護る所なりといふ。 【立神岩】(出図) 島より十間斗り隔てて切り立たるが如き岩あり、岩周り七八尺四面、其高サ卅丈余、海底幾何ある事をしらず。 【サバ鳥】 鳥の形鴎の如くにて水に泛ぶ、立能はず又樹木に集ること能はず、夜は土を堀りて形を没す、恰も門方の城の如し、波面に浮出たる魚に飛付て之を食ふ、是以其啄み喰する容易ならず、依て餓て常に飽こと能はず、故を以て食に当りては人を畏れず命を惜まず餓鬼ともいふべき様なり、まづ小島に限る鳥なりといふ。辛丑の夏六月十四日伊根浦に宿す、其夜三更の頃月の乗じて舟を泛べ大島に至る。始め鷲崎を出る頃風吹きぬ所謂夜風なり、よって蒲帆を掛て東の白き時分洲先明神の前に至る、明神より島山の下に至る凡二、三丁、其間小石の浜なり、處々にサバ鳥といふもの群り集りて其鳴?々たり、山の麓老樹森々たる間に老人島大明神の社あり、社の前後幟数十本、皆難航に逢ふ者の願済なり、社の後より山に登る、山の模様陸地の山と異ることなく、されども竹木の形は大に異なり松なども古びて葉短く木皮細なり、松にあらざる様にも見えたり、又十囲余もある桐の大木あり、定めて異草異木もある可しと、聊尋ねたれども何分一里余もある山なれば容易に極めがたし、山の内に蛇の大なるもの栖めり所謂うわばみなり、是島の主なりといふ、年々海を絶て野原、三浜の辺に渡る、若し是を見る時は必奇怪のことありて風波必起る、よって舟子余を招きて舟に上らしむ、既に舟に上る頃、日出の光波面に映じて朱を注ぐに似たり、実に日の海中より上るを見る、是時鯛を釣る者あり、又泊宿の漁舟アワビなどを採る、乃ち之を買ふて其鮮を割く、於是一杯を傾けざるを得ず、瓢酒を把てまづ両三杯を喫す。既にして島を巡り立神岩の際より小島に渡る、其間に白岩といふ處あり水底僅に四五尺の處に岩あり、凡四、五丁四方其色皚々たり、凡大島小島の間風は東西より吹き潮は左右より来る、依て處々に渦の處あり実に阿波の鳴門の如し、船人誤て其處に至る、船中皆愕然たり、江魚の腹中に葬られんとす、幸に遁れて小島に渡る、是時に方て再び瓢酒を把て茶椀に盛り之を嚥む凡五杯、傍人皆船に酔て吐気を発し舟中に臥しぬ。小島は大島に比すれば又一段の険阻なり、島の岸に舟をつくべき處もなければ攀ずべき道路もなし、奇岩千尺の間に落々たる怪岩互に聳立つ、誠に一大奇観なり、其険阻の際に?しき草花を見る、又枇杷の実るあり、嗚呼剛の中に柔あり柔の中に剛あり剛柔相摩して変化窮まらず、天地の情是れに於て見るべき也と工風の心起る、又花実の己が為にもせず又人の為にもせず、只天地の自然に任す情態を見るなり。 【付録】(箱の宮、天神、八幡、荒神、蛭子、稲荷、愛宕、長床、阿弥陀堂) 〉
野原 三浜路 穴坂 向イ 桂ヶ谷 ボウメキ 堂天 曽根 谷田 登立 ホソキリ 山田 ヒノクチ 平坂 川上 ショウジダ ダンスケ 北山 八幡丁 北山家ノ中 縄手 高宮 岡鼻 浜岸 家ノ奥 家ノ脇 堂ノ上 脇 クズロ オクズロ フクラ 大ジウ 車戸 崎山 ナノウラ ヨゾリ谷 向磯 鹿ケ谷 古道 矢倉山 家ノ中 チジウ 寺 |
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ホウリ 一つ目小僧 栄柴の神事 塩うりばさ 野原銀山 |
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《野原の民宿案内》 夏の海水浴の民宿の問い合わせが当HPにも多数寄せられます。当HPはそうしたことを目的とするものではないのですが、知らぬ顔も何となく心苦しいため、今年(2016)の市並びに観光ステーション発行のパンフをそのままコピーさせてもらいアップしました。 なお海はたいへん危険な所でもあります。水の事故に充分に注意して楽しんで下さい。 |
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