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 出船祭(天橋立文珠堂出船祭) '12
 (宮津市文珠)




出船祭'12

出船祭'12

出船祭'12

出船祭'12

古来「切戸」と呼ばれた文珠水道上に設けられた舞台での、暴れる金銀の悪龍を鎮める文殊菩薩。
 日本三景・天橋立を彩る「天橋立文殊堂出船祭」が24日夜、智恩寺の周辺で催された。
同寺の縁起伝説にちなみ、海上の特設舞台で龍と文殊菩薩の幻想舞い。午後8時20分ごろ、文殊菩薩は小舟に乗って現れ、笛太鼓が響く中で、荒々しく現れた金銀2頭の龍と向き合い、改心させる龍舞いを演じる。


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 出船祭のアクセス
天橋立駅のすぐ近くで、交通の便はいい。駐車場も多い。しかし海上舞台の周辺は狭いため、かなり混み合います。
遠くて暗くて動きが速いが最新の高性能カメラなら十分写せます、三脚と300ミリくらいのレンズで写せます、あとはレタッチソフトで仕上げて下さい(本格派なら500ミリ以上が必要か、できるだけ長いいいレンズがよろしい)。


 宮津節(当日の録音)→  

毎年7月24日で、だいたい次のプログラムで行われる。
18:00 文殊会(文殊堂)
19:20 オープニング(出船太鼓・宮津おどりなど)
19:55 採火式(文殊堂)・智恵の輪灯籠点火・読経・流灯籠・渡御
20:00 海上絵巻(海上浮舞台) 万灯会・龍舞・菩薩舞
20:30 打ち上げ花火(約500発)
21:00 龍舞(山門前)。祭り終了
智恩寺に伝わる「九世戸縁起」(京都府指定文化財)「九世戸智恩寺幹縁疏并序」(京都府指定文化財)がある、どちらも室町時代のものという。そこに書かれた中世神話に基づいた、海上安全を願う龍と文殊菩薩の舞いである。
『丹哥府志』に、「毎年六月廿五日は文珠の会式なり、其前夜は出船とて通夜参詣の人あり、又往来の人々互に悪口を語る前々の習なり。」と見える悪態祭のような、一年を更新する大晦日であったのかも知れないが、今のような形式の祭りとなったのはいつ頃からなのかわからない。古い文献などには龍が舞うなどはなく、上手な最新の演出なので近いものなのかも知れない。(海上や参道で龍が舞う今の「出船祭」は昭和58(1953)より「文殊会」の一環に加えられたものという)
法華経には文殊菩薩は、大海の婆竭羅龍宮に行ってあまたの龍神を教化したという所伝があるそうで、古くから龍神の導師とされていた文殊菩薩を、伊奘諾・伊奘冊が中国五台山より招いた。菩薩はこの島で、大暴れしていた龍たちに千年の間説法をされた。龍神みな集まって教えを聞き、すっかり改悛して今後は仏法を信じ、人々を守る神々になると誓ったという。
九世戸縁起にも語られるが、文珠堂近辺のかなり広い範囲一帯では、文殊菩薩の乗る獅子にちなんだ獅子崎・獅子、文殊奥院と称する戒岩寺、文殊菩薩化現のとき乗っていた雲が化したという岩のある雲岩寺、文殊菩薩が最初の示現地である経ヶ岬から、九世戸に移る途中に一時滞在したという穴文殊の洞穴などなどと、文殊信仰に関する伝承が付近には多い。
鼓ヶ岳上空より天橋立
私の想像だが、仏教以前・中世以前のさらに古い天橋立に関する古代伝説が伝わっていたものと思われる。それは天に昇る梯子が倒れたものいう逸文風土記のものとは違っていた。鼓ヶ岳(ツツはヘビ)を根城にその)麓の橋立北岸のハミ・ハナナミ(これらもヘビ)系の地名のある一帯にいた暴れ大蛇が、何かゆえあって阿蘇海に入って死んで長くなって横たわり、今の天橋立になり、こうして出来たものだという、もう一つの地元の天橋立伝説があり、それは地名伝説を伴う本格的に整った伝説体系であった。天橋立はたぶんその当時はツツミとかハミあるいはハナナミと呼ばれていたと思われる。
鼓ヶ岳上空より天橋立を見る(坂根正喜氏撮影)→

それをのちの坊さんたちが仏教的に合理化し大潤色を加え「九世戸縁起」となったのではなかろうか。失われ忘れられた古代天橋立伝説を今に伝えるもの、その輝くカケラがこの日の舞いではなかろうか。

文珠堂
↑まずは文珠堂へ、ますます才長けるかも−。確率高いのでぜひどうぞ。
本当は智恩寺という臨済宗妙心寺派の寺院。山号は天橋山だが、本尊文殊菩薩にちなみ五台山という山号も通称している。日本三文殊の1つといわれ通称「切戸文殊堂」「九世戸文殊堂」、あるいは単に「九世戸」とも呼ばれるという。お参りすれば、賢くしてもらえるという、しかしやっぱりムリかも…、信心あればそんなことはないでしょう、エラ〜イ仏様だから。

切戸水道
↑文珠堂のすぐ隣は海で正面に海上ステージがある。写真写すならこの位置がベスト、しかしこんな様子ですでに一杯のよう。対岸の橋立に渡り、舞台裏から写すことにした。向こう側から見る人もあろうが意識してないかも、ライトが逆光になるか、しかしそれもアジになってかえってよいかも…
ここが「切戸の渡し」。古くはこの水道はずっと広く、今見える対岸の天橋立部分はなくて、橋立神社のあたりまでは海であった。このようになったのは幕末期くらいからである。

海上ステージ



  出船祭・オープニング
出船太鼓(同市滝馬の火の滝太鼓という)


宮津節(小太鼓は文珠子供会の皆様)


出船おどり(文珠子供会の皆様)
出船おどり(出船祭)



  出船祭・九世戸縁起
採火式で智恩寺より灯りを頂いて、そのお灯明が智恵の輪灯籠へ入ると、金銀の悪龍が廻旋橋に現れる。読経、灯籠流しのなか文殊菩薩の舟渡御からステージに現れる。


文殊菩薩が現れる出船おどり(出船祭)

九世戸縁起の龍舞い出船おどり(出船祭)

九世戸縁起の龍舞い出船おどり(出船祭)

九世戸縁起の龍舞い出船おどり(出船祭)

九世戸縁起の龍舞い出船おどり(出船祭)

九世戸縁起の龍舞い出船おどり(出船祭)






 出船祭・龍舞い(山門前)
善龍に改心した龍が智恩寺山門(黄金閣)前で舞う。これは近くから見ることができる。



龍の舞い出船おどり(出船祭)

龍の舞い出船おどり(出船祭)

龍の舞い出船おどり(出船祭)
これでおしまいです。

出船祭 '13(天橋立文珠堂)



 出船祭・参考文献

智恩寺

丹後古代逍遙 小牧進三(『郷土と美術』1984年)

 〈 天橋立の竜神

 さきほど竜について前述したので天僑立の「竜」をのべよう。この風光明眉な天橋立に竜神がすみ、丹後半島の突端の岬に悪竜伝説を残すなど随所に竜がさん見するゆえである。
 この古伝のみなもとは、天の橋立(宮津市文珠)の寺域。天橋山智恩寺に伝わる。「九世戸(くせと)えん起」など一連の文珠信仰が横たわっている。「九世戸智恩寺幹縁疏并序」によると。
 天橋山智恩寺、この地は文珠大聖降応の地で、日本の五台山であるという。天神七代をへた地神三代の正哉吾勝々速日天忍穂耳尊のとき悪竜を降伏させそのもとをひらいたとのべる。
 九世戸は、天神七代地神二代(九代九世)によって「九世戸」という。つづいて大土威神(天忍穂耳尊)が”如意”を海中になげ成った遺跡が「天の僑立」で、火をともして一夜のうちに千本の松を植え、その火をすてたところが「火置島(日置)であるという。そして大土威神かあん息した地が「獅子のわたり」で諸竜を集めて講経授戒した地か「戒岩寺」であり、千年の浦で説いた地を「経御崎だとのべる(文明十八(一四八六)
 さらに別伝は
 九世戸の有斉日天燈・竜灯の由をのべ、磯清水の橋立明神は「竜宮」だといい、この明神を伊勢では豊受大神だとつげる。また文殊のみ前に月の六斉天女あまくたり給い灯をもちまいらせ、府中の竜神、竜穴よりいで榊をもって立ち、江尻の「江の姫神社」の神は婆竭羅(しゃかつら)竜王の第二の姫、竜王女を祭る。…
(九世戸えんぎ)
 こうして智恩寺を軸とし、天の橋立近傍の地名の由来や、智恩寺のえんぎをえんえんと語りかける。「九世戸」はいうまでもなく文殊堂(智恩寺)から橋立明神へとたどる「よさの海」と「阿蘇の海とか分界する今日の廻旋橋の水道をいう。同えん起にいう五台山は、中国山西省五台県東北の高山で五峰から成り一名「清涼山」ともいい、そこに文殊の浄土かあるという文殊信仰である。(文殊は梵語)
 わが国の文殊信仰は奈良時代三論宗の祖師と仰がれ、文殊菩薩は普賢とともに「釈迦」の左に智恵をもって獅子にのり仕えた。ことに平安時代天台宗では、釈迦・普賢・文殊を三トリティとし信仰され広く世に伝えられた。  〉 







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