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ロシア艦隊入港

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ロシア艦隊の入港


061002。ロシア海軍がやってきた。初めてのことだという。おろしゃ船と恐れられた時代からずっと仮想敵国だったのだから、それは初めてだろう。地名とは関係がないが、少し紹介しておこうかと思う。


パンテレエフ将軍号・全景


アドミラル・パンテレーエフ号という7300トンの大型対潜鑑。30年前の建造というから古いものである。もうあまり第一線の実戦には役には立たないと思われる。艦橋のすく下にある8門の大きなミサイル発射管、多分艦対艦ミサイルと後のヘリくらいが武器であろうか。戦艦でも葬れそうなミサイルを持っているが、しかし敵ミサイルから自分を守る防衛システムはないように見えた。海自と共同で捜索救難訓練を若狭湾で行うそうである。全部で4艦が入港した。一般公開も行われた。

パンテレエフ将軍号・前部

小型対潜艦・ソビエトスカヤガバニ号    ディーゼル潜水艦と支援艦

ウラジオストック軍港を母港にしていると思う。ウラジオストックと日本では呼ぶが、ロシア語らしくより正確に書けばウラジ・ボストーク。古名はウラジミール・ボストークである。古い地図にはそう書かれているという。ボストークは東のことで、東ウラジミールという意味である。ウラジミールはモスクワの北にある古い首都。宗教首都といわれる。その古い町の名を貰った町である。ウラジは治めるという意味、ミールは平和である。平和に治めるという意味である。だから平安というような意味になる。確かレーニンの名もウラジミールだったと記憶している、人の名にも使われる。
ウラジオストックを「東を征服する」とか何かヘンな意味に解釈する人ばかりで、今の地名をそのままに訳すればそのようにもとれるが、地名は歴史があって長ったらしいと途中で一部が省略されることもあり、その場合は地名の意味が曖昧になることはよくある、どこの国でもあることである、そういた時は古い地図があればそれを見るのが一番である。司馬遼太郎氏のような結構な良識派ではなかろうかと想像する人でもよく調べもしない、その理解が当たり前のように書いているが、知る人はあまりにバカバカしいので誰も正確な歴史や意味を書かないのかも知れない。日本の知性が全世界から笑われるので書いておくが、ウラジオストックとは日本語に訳せば東京といったような意味になる。

    

一般公開はやんややんやの人だかりであった。水兵や士官さんの特別に大きな帽子が印象的である。エーゼンスタインの戦艦ポチョムキンを思い出す。あの映画と同じような帽子である。待つこと1時間ばかりでようやく順番が回ってくる。長時間待つ人に退屈させないようにとのサービスなのか音楽を演奏してくれる。ラスビタリ・ヤブロニイグルッシ ポプリリ・トマニトレコイと男声コーラスの歌声が聞こえてくる。ロシアの大地から響いてくるような超重低音が聞こえる。うれしいなカチューシャだ、こんなところで聞かれるとはツユ想像していなかった、この重低音を聞くのずいぶん久しぶりだ。ロシア人好の軽快なリズム感のある歌声である。初めはCDでも鳴らしているいるのかと思っていたが近づいてみれば生演奏である。彼らはこういうことができる。ロシア人が何人かいればすぐ楽団とコーラスとダンサーが揃う。誰でもたいてい二つや三つの楽器は演奏ができる。即席編成でもけっこうなものである。

    

サックスの彼にオーチンハラショと声を掛けると「どうもありがとう」と日本語で返ってきた。楽器はキーボードが日本のカシオ製であった、そのビデオカメラもそうらしく見えるが、ほかよくはわからない。

    

歌好きに悪人なしという、しかし兵隊としてはあまり強そうには見えない。それでいいのだ、戦争する気はない艦隊のように見える。何の因果かシャーナイからこんな稼業やってんヨ、というような感じ。
猫ちゃんもつれてきていた。ドーブルパジャロバーチ(ようこそ)と書かれた足ふきま用意されていた。小さなサビエトスカヤガバニ号(ソビエト湾号?そんな港湾があったのか)ではそれほど親善訪問の機会はなかろうかと思えるが、今日の日のためにわざわざ兵隊の誰かが作ったのかも知れない。意外と器用な面もあるのである。



総員520名とニャンコが2匹であった。ダスビダーニャというとバイバイだって。何となく革命軍の残り香を漂うような、過去の夢なのか未来の希望なのかわからない所が何ともいいと思う。日本の自衛隊や米第七艦隊では決してマネのできない所か、また来てくれと私は思う。
 彼らが町へ出てくると「オー・クレジー・マダム」と驚きの声をよく発している。英語とフランス語を義務教育で習っているので、こんなチャンポン語になるわけだけれども、お姫様たちの特にひどい車の運転にビックリしてこの声をあげる。彼らは公共でのルールは厳しく躾けられ、それが身についてないのは極めて恥ずかしいこととされるという。お茶の間も公共の場も区別なく、そもそもその両者の区別があることすら意識のない特に女性に、男もけっこうおりますが、web社会でも見られるとおりで、クレージーの声を発する。本当にそうかも知れません。一秒で死の交通戦争の現場と安全なお茶の間とはしっかり区別してハンドルを握った方がいいかも知れないよ。




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