丹後の地名プラス

そら知らなんだ

拝師(速石)郷(丹後国与謝郡)①
(そら知らなんだ ふるさと丹後 -45-)


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そら知らなんだ ふるさと丹後
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拝師(速石)郷(丹後国与謝郡)①
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民族大移動の跡か!?
鳥取①







『丹後の地名』は、「FMまいづる」で月一回、「そら知らなんだ、ふるさと丹後」のタイトルで放送をしています。時間が限られていますし、公共の電波ですので、現行の公教育の歴史観の基本から外れることも、一般向けなので、あまり難しいことも取り上げるわけにもいきません。
放送ではじゅうぶんに取り上げきれなかったところを当HPなどで若干補足したいと思います。


丹後国与謝郡拝師郷



坂根正喜氏の航空写真より↑
与謝郡拝師郷は、阿蘇海の北岸、今の宮津市府中や岩滝町あたりである。日置郷と物部郷の間と思われるが、ハヤシという地名は今はもうまったく忘れられてしまっている。
『元初の最高神と大和朝廷の元初』は、
和銅年中以降の速石という地名は、全く忘却せられ、現今まで遺存してはいないのであって、わずかに、速石(ハヤシ)という姓が少数あって、その里の名称の名残りを留めているに過ぎないのである。
とされている。
逸文風土記には、
天椅立
丹後の国の風土記に曰はく、與謝の郡。郡家の東北の隅の方に速石(はやし)の里あり。此の里の海に長く大きなる前あり。長さは一千二百廿九丈、広さは或る所は九丈以下、或る所は十丈以上、廿丈以下なり。先を天の椅立と名づけ、後を久志の浜と名づく。…
古く(奈良初期)は、「速石」と書いたようである。

京都府立郷土資料館の「阿蘇海北岸の遺跡」より↓





拝師郷は「和名抄」丹後国与謝郡7郷の1つで、高山寺本の訓には「波也之」とある。
当郷の丹後一宮籠神社の境内経塚から「南閻浮提大日本国山陰道丹後国 与謝郡拝師郷溝尻村…」と刻銘があり、文治四年(1188)二月および同年三月の年紀を有する2個の経筒が出土している(重文)。
籠神社経塚出土品
古代の拝師郷については、これらのほかには資料は知られていない。

中世の「丹後国田数帳」には、
拝師郷 七町四段二百五十六歩内
  一町        印鎰社
  一反百八十歩  仏成寺
  一町二段九十歩 延永左京亮
  七段二百十六歩 成吉三良左衛門
  三町六段二百七十歩 安良八郎
  二町百八十歩   庁 次
  四反四十歩    無下地

とあって、印鎰社、庁次など国府に関係のある土地であろうか。仏成寺は不詳、延永、成吉、安良氏などは一色氏を支えた重臣。
『丹後宮津志』
蓋し延永氏は守護一色の被官五家の随一にして府中村に居し、主家に代りて丹後の守護代を勤む、その所領熊野郡川上庄に五十町三反、加佐郡志楽庄に二十八町七反その他与保呂にもあり勢力家なるを知る。,
成吉氏は三重谷、安良氏は加悦谷算所。
さらに同田数帳与謝郡の部には
与謝郡
一 拝志郷神田 九段百廿歩  無現地
これは籠神社の神田と見られている。
当地は律令時代から中世にかけての丹後国の中心地である。雪舟の天橋立図にもしっかりと描れているところである。現在の橋立観光の中核となる場所がすべて描かれているが、これは天橋立図というか与謝郡拝師郷図といってもよいような図でもある。


「室尾山観音寺神名帳」の「与謝郡六十八前」には、
従二位 拝師比古明神
従二位 拝師姫明神
が見える。
与謝郡には、当地のほかにハヤシは知られていないから、これらの社は当地にあったものと思われる。ハヤシヒコ・ハヤシヒメを祀るハヤシ神社があって、この社名からハヤシの地名が発生したのではなかろうかと思われるが、この社はまったく知られていない。天橋立図にもないようである、郷名の元となった神社であろうから、当時はあったと思われるが描かれていないのであろうか。。


ハヤシの意味の従来の考察

特には何もないが、速石別命・池速石別尊・五十建速石別命の名が記されたものがある。
『丹後旧事記』
速石別尊。日本旧事記垂仁天皇第四の妃薊瓊入姫の御子池速石別尊といふ五十建の速石別尊。

『丹哥府志(巻之四)』
【あじかまの潟】宮津府志に栗田郷宿野村にあしか浜といふあしかまの石は此處ならんかと疑を存して記せり。されど立石村あしかといふ古き社あり、恐らくは此處なるべし。あしかはあしかまの略語なり、今あじやといふは非なり。
【あしかの社】(あしかは地の名なり、あしかまの潟にある社なり)
あしかの社は何を祭るや村人もしらず、されど珍ら敷社の名なれば村長に頼みて扉を開き拝み奉れば古代の装束にて古き尊像あり、是より前五十建速石別命を祭りてより村を建石といふと古老にきくしかも何れの社なる事をしらず、今此尊像を拝みて初て此社なる事をしる、五十建速石別命は丹後道主命の孫なり、丹後道主命に五女あり皆召されて后妃となる、五十建速石別命は第四妃薊瓊入姫の子なり、兄を速石別命といふ、与謝板並速石里より貢を奉る、弟を五十日足彦尊といふ与謝五十日の里より貢を奉る、五十建速石別尊には与謝稲浦より貢を奉る、よって五十建速石別命を祭るなり。

『加佐郡誌』
大化の新政以前に於ける本郡については、記録の徴すべきもの少きが故に、今は唯歴代の領司を列記するに止めて置く。…
七、鐸石別尊 同上(崇神天皇の御代)。八、磐撞別命 同上。 九、速石別命 同上。十、五十建速石別命 景行天皇の御代か。十一、五十日足彦尊 同上か。 十二、朝廷別命 成務天皇の御代か。 十三、神神摩須郎 同上か。…

どうした史料によったものか不明だが、速石を名乗る皇子がいたようである。しかも頭に「五十建」とある。
五十建(いたて)というのは、五十猛(いたける)のこととされる。
『日本書紀』に、須佐之男の子が五十猛命、その妹が大屋津姫、枛津姫命とある。大屋都比売神社(紀伊国名草郡式内社)があって、天香語山命の木国(紀伊国)の妻とされる。
勘注系図の天香語山命の注文にも、
「香語山命、然后遷坐於木國熊野、而娶大屋津比賣命、生高倉下矣、」とある。
五十建というと、「鋳立て」かと思えるが、射楯兵主神社という社もあり、簡単にいえば、渡来の鉄の神、朝鮮渡来というか、新羅渡来の製鉄・鍛鉄の技術神であるといわれる。
どうもハヤシは鉄と関係がありそうに見えてくる。
「地理志料」に、
板竝神社在男山村蓋祀池速石別命
とあるそうで、男山八幡が中心かも知れない。

各地の拝師郷


全国各地にも拝師の名が知られている。和名抄から拾ってみると、

拝師郷(越中国礪波郡)(訓注・波也之)
拝師郷(加賀国石川郡)(訓注・波世之、波也之)
拝師郷(常陸国茨城郡)
林部郷・林戸郷(甲斐国山梨郡)(訓注・波夜之、波也之)
拝志郷(尾張国中島郡)
拝志郷(河内国志紀郡)
拝師郷(山城国紀伊郡)(訓注・波夜之、波以之)
拝志郷(山城国久世郡)
拝志郷(山城国綴喜郡
拝師郷(丹後国与謝郡)
拝師郷(丹波国天田郡)
拝師郷(丹波国何鹿郡)
林田郷(播磨国揖保郡)(訓注・波也之多)
拝慈郷(備中国小田郡)(訓注・波也之)
拝師郷・林郷(備中国浅口郡)(訓注・波也之、八也之)
拝志郷(もとの字は林)(出雲国意宇郡)
拝師郷(讃岐国山田郡)(訓注・波也之)
拝師郷(阿波国阿波郡)(訓注・波也之)
林郷(阿波国那賀郡)
拝志郷(伊予国越智郡)(訓注・波也之)
拝志郷(伊予国浮穴郡)



拝師郷(丹波国天田郡)は福知山市拝師(はいし)が遺称
『天田郡志資料』
拜師郷  (今は郷とも庄ともいはず、只一村の名とす、此谷筋を豊富といふ、古き名なるべし、今より三百年許前迄は豊富村と稱せし村、今の上豊富村なり)
拜師村 支宿毛塚、山崎  高 九百八十三石 仝上
此村に辻堂あり、此堂屋敷に石ありて、土中に深く入り、恰も木の生へたるが如し、其地上に出でたる所に多聞天を彫りたり依て生石(はねいし)と名付けしと云、和名抄にも生石と書けり。其今の文字に改めし故は知るべからずと雖、おもふに此村に牛頭天王を勸請せり、牛頭天王は素佐之男命を祭るが例なり、出雲国に此神を祭りて拜師といへる所あり、依て此天王を祭るに及びて此文字に換へたりと傳ふ。

拝師郷(丹波国何鹿郡)は上林(かんばやし)が遺称
『山家史誌』
拝師郷 「図によると今上林川の貫流する山家十根の諸邑か」(日本地理志料)、「今上林の三邑けだしこれなり」(大日本地名辞書)、「当社は初め拝師郷畑川村に鎮座し、大室明神と称す」(室尾谷神社の由緒)


林遺跡(網野園)がある。網野銚子山古墳のすぐ脇で、弥生期からの遺跡である。
福知山市大江町天田内に林神社がある。
宮津市奥波見に「林崎」の里名がある。日ヶ谷の日吉神社境内社に「小林神社」がある。これらも拝師なのかは不明


続きは
拝師(速石)郷(丹後国与謝郡)②









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  Bubamara Traditional Serbian Romani folksong






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関連情報

放送の合間にこんな曲が流れます(予定)
(822) てんとう虫のサンバ チェリッシュ - YouTube
(819) 風 - はしだのりひこ (Norihiko Hashida) - YouTube




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